一般財団法人 環境イノベーション情報機構

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H教授の環境行政時評環境庁(当時)の職員から大学教授へと華麗な転身を果たしたH教授が、環境にかかわる内外のタイムリーなできごとを環境行政マンとして過ごしてきた経験に即して解説します。

No.073

Issued: 2009.02.09

第73講 当たるも八卦、当たらぬも八卦、新たな海域保護制度 ―― 付:ダーウィン生誕200年

目次
オバマフィーバーはいつまで? ─付:上乗せ規制考
日本版グリーン・ニューディールは可能か?
EUの温暖化対策提案
日本の中期目標をめぐって
難航する公務員改革―人事院総裁の反乱
自然公園の新たな海域保護制度を予想する
アクティブ・レンジャー一期生卒業
ダーウィン生誕200年

オバマフィーバーはいつまで? ─付:上乗せ規制考

Aさんセンセイ、オバマさんは流石ですね。就任演説もカッコよかったけど、就任後一週間もしないうちに、ブッシュ政権が差し止めていた、CO2を大気汚染物質として規制しようとするカルフォルニアなどの州政府の独自規制を認めるようEPAに指示したそうです。

H教授もともと米国は連邦国家なんだから、本来主権は州政府にある。だから州政府はそれぞれ独自の憲法を持っている。その主権の一部を供託されたのが連邦政府なんだ。
例えば死刑だって、ある州もあれば、ない州だってあるし、消費税率だって州によって違う。環境規制だって、州によってばらばらなんだ。ぼくは連邦のClean Air Act(大気清浄法)も読んではいないけど…。

Aさん(すかさず)「読めないけど」ですね。

H教授うるさい! 新聞報道で言われているように、州法で独自規制をしようとするときにEPAの許可が必要だとしても、それは単なる手続き、形式に過ぎないはずで、それを許可しなかったブッシュ政権があまりにも異常というしかない。

Aさんそういえば日本は主権は国家にあって、地方自治はその枠内で与えられたものに過ぎないんですよね。その日本でさえ水質汚濁防止法大気汚染防止法で、条例による上乗せ規制を認めていますものね。

H教授うん、一口に上乗せといっても、規制基準を厳しくする「(狭義の)上乗せ」、規制対象を広げる「裾下げ」、規制項目を増やす「横出し」とある。
例えば、水質汚濁防止法ではBODの規制対象は一日排水量50トン以上の工場・事業場で、排水基準、つまり排水口濃度の規制基準は日平均値120ppmだ。
でも、その程度の規制じゃ、到底その流域での環境基準が達成されそうにないとなれば、条例によって上乗せ規制ができる。

Aさん例えば、一日排水量20トン以上の、より小さい規模の工場・事業場まで規制対象にするのが「裾下げ」、規制基準として日平均値を80ppmにするようなのが狭義の「上乗せ」ですね。

H教授うん、日本は昭和30年代末期から40年代にかけて危機的な環境汚染にあった。だから水質汚濁防止法の規制強化に関して産業界もあまり強い異議を唱えなかったが、最後まで反対し抵抗したのが上乗せ規制の容認項目なんだ。それを国民の支持を背景に押し切っちゃったんだけど、その自治体の上乗せ規制こそが、かつての激甚な公害を沈静化させたといえるだろう。

Aさんふうん、じゃ、「横出し」というのは?


H教授例えば和歌山では、水質汚濁防止法で規制していない水の「色」について規制している【1】

Aさんじゃ、アメリカの場合、先進的な州がCO2の“横出し”規制をしようとしたのを、ブッシュ政権が妨害したというわけですね。
でもオバマさんは環境に熱心なだけじゃないですよ。就任翌日には、キューバ東南部のグアンタナモ湾に位置するあの悪評高いグアンタナモ基地収容所での特別軍事法廷の審理をストップさせましたし、一年以内に収容所自体を廃止することを決めたそうです。

H教授グアンタナモ収容所の特別軍事法廷なんていうのは、明らかに国際法違反だし、そもそもグアンタナモ基地が、米国統治下にあること自体おかしい。植民地時代の不当な負の遺産そのものだし、米国の恥部といっていいんじゃないかな。
英国は香港やマカオを中国に返還した。米国も一日も早くキューバに返還すべきだ。
まあ、それはともかくとして、収容所を閉鎖したら、収容されていた捕虜をどうするのかという難問が待っている。オバマさんがどうするのか見ものだね。

Aさんま、いずれにせよこれからオバマさんは、グリーン・ニューディール政策を推進していくでしょうし【2】、温暖化対策だって急ピッチで推進していくでしょう。
オバマさんってほんと素晴らしいわ(うっとり)。

H教授やれやれ、ほんとミーハーだな。
だけど、イスラエルのガザ侵攻に対して、ブッシュさんほどではないにせよ、イスラエル支持を表明し、一方じゃあ、アフガンに軍を増派する構えをみせている。公約通りイラクから撤退すれば、イラクは間違いなく反米国家になるだろう。
ブッシュさんの負の遺産が大きすぎて、身動きがとれなくなることだって考えられる。


Aさんいえ、オバマさんなら、きっとなんとかしてくれます(きっぱり)。
それにグリーン・ニューディールという夢の実現に向かって邁進していくことは間違いないでしょう。

H教授米国経済の危機はなお深刻化している。成長率は過去最大のマイナスが見込まれ、失業率も増大する一方だ。
グリーン・ニューディールで膨大な公共投資をやれば、連邦政府の負債は一気に増してしまう。もし、その肩代わりで米国国債の大量購入を日本に求められでもしたら、たまったもんじゃない。自衛隊のアフガンへの派兵だって求めてくるかもしれないぜ。

Aさんもうセンセイったらあ。グリーン・ニューディールに賛成じゃないんですか。

H教授もちろん賛成だよ。温暖化対策に寄与するだろうし、雇用対策の底支えにはなるだろう。だけど、前講でも言ったように、経済を立て直して、再び成長しはじめるなんて幻想は抱かない方がいい【3】
それよりは、産業構造を無限成長指向型から、持続安定指向型にガラッと変えようとするもので、急激なマイナス成長をより緩やかなものにしようとするものだと思った方がいい。それだって果たしてできるかどうか…。

Aさんどうしてですか。


H教授オバマさんは10年間で1500億ドル投資し、緑の雇用が最大400万人生まれるとしている。風力発電などの代替エネルギーだけで50万人の雇用が可能になると目論んでいるらしい。そうなると温暖化対策も一気に進んで、この面でも世界をリードできると踏んでいるんだろう。
だけど、既存のエネルギー業界の抵抗も強い。オバマさんは人気はあるけど、何よりも世論調査では国民の多くは温暖化対策に関心は低く、オバマさんに即効性のある景気対策を望んでいる。

Aさんでもそれは期待できないでしょう。というか不可能なんじゃないですか。

H教授うん、だから人気が急にしぼんで、1〜2年で失速してしまう可能性だってある。国民が豊かな消費生活を最大至上のものとして求め続けるかぎり、そうなる可能性は高いと思うな。
GHG排出を2020年に対90年比ゼロ%という微温的なものしか打ち出せなかったのも、その影響だと思うよ。
ま、カリスマ性はありそうだから、国民の価値観を変えることができればいいんだろうけどね。


日本版グリーン・ニューディールは可能か?

Aさん米国も深刻でしょうけど、日本だって大変ですよね。名だたる大企業が次々と「派遣切り」するだけでなく、リストラをはじめました。失業率も大幅アップ、大失業時代が来るかもしれません。

H教授間違いなくそうなるだろう。

Aさんやはり派遣労働の自由化が間違いだったんですね。

H教授そうとも言い切れない。自由化しなければ、その時点で失業率も増えただろうからね。

Aさんでも日本は昔から株主より社員を大事にしてきましたよね。
社長だって上場企業のほとんどが、社員から上がってきたサラリーマン社長だったし、それが日本型経営の真髄だったんじゃないですか。
その時代に戻せばいいんじゃないですか。


H教授それは幻想だろう。確かに、日本の大企業は正社員や本工を大事にしたけど、派遣の代わりに下請け、孫請け、曾孫請けみたいな差別構造があったのも事実じゃないかな。
ま、それはともかくとして、それでも米国は「チェンジ!」を合言葉にしてオバマさんを誕生させた。オバマさんは奴隷の子孫じゃないけど、黒人の血が流れているし、奥さんは黒人奴隷の子孫だ。画期的なことには違いない。
それに引き換え、日本の政治はどうしようもない。補正予算をめぐるドタバタといい、代わり映えのしない21年度予算案といい、いったい何をやってるんだか。
1月19日には「経済財政の中長期方針と10年展望」が閣議決定されて【4】、その中で「低炭素社会にむけて大胆に」とは言っているけど、中身にはまったく何も触れていない官僚の作文そのものだ。

Aさんでも、日本版グリーン・ニューディールもいろいろ言われてますよ。
民主党は250万人の雇用創出を言い出してますし、公明党は今後3年間で10兆円規模の環境投資を言い出しています。斉藤環境大臣が同じような環境省の構想を麻生サンのところに持っていったら、もっと大胆な構想を打ち出せと逆にはっぱをかけられて、各省と連携して民主党に対抗するような大規模な構想を3月末には打ち上げるようですよ。


H教授財源はどうするんだ。

Aさんそりゃあ、非常事態なんだから、借金でしょう。

H教授もちろん非常事態だから借金するのもやむをえない。
だけど、同時に大胆に今までの構造を打ち破らなきゃいけない。国土交通省の公共事業なんて、いったん全部パーにするくらいのことが必要だけど、相変わらず不要不急のダムや道路のようなトンカチ工事を進めている。
グリーン・ニューディールと言うんなら、泡瀬干潟埋立【5】なんてのは、違反だという判決が出ようが出まいが、即刻中止すべきだろう。
もちろん、そうしたことをすれば痛みを負う人たちも出る。「緑の雇用」への移行の過渡期には、セーフティネットの充実も欠かせない。
そのためにも、道路特定財源とされてきた分の8割と既存の公共事業費の半分を召し上げ、例の給付金2兆円を足せば10兆円近くにはなるだろうから、それを充てるぐらいのことをしなければどうにもならない。

Aさんまた乱暴な…。

H教授それくらいはしなければ借金が増える一方だ。借金というのは、いずれ返さなきゃいけないということを忘れちゃいけない。
そして税収中立の原則の下で、民間が行うグリーン・ニューディールというに相応しい事業は税の減免をしたり、無利子貸し付けを行う。一方、それ以外の従来型事業には増税を行うと共に、環境税を導入する。

Aさんセンセイのことだから、公共料金体系も変えろというんでしょう。使えば使うだけ単価が高くなるような料金逓増制だとか。
あ、そうだ、自然エネルギー固定価格買取制度も必要ですね。

H教授あと東日本と西日本では電力の周波数が違い50Hzと60Hzとなっている。そのためにお互いに電力を融通するのが大変らしいんだけど、こんな国は日本だけらしい。
この際、それも統一するなんていう大手術も考えてみてもいいんじゃないかな。

Aさんうーん、大変革ですね。でもそうすれば、経済は豊かになります?

H教授純粋な収入という面から見ればマイナスだろう。もともと身の丈以上の生活をしてきたんだから、仕方がない。
だけど農山村回帰がはじまり、格差が減少し、助け合いの精神でコミュニティが再構築されれば、それはある意味豊かになったといえるんじゃないかな。
志布志の藤後惣兵衛サンの名言、「スモッグの下のビフテキよりも、青空の下のおにぎりを」を今こそ噛み締めるべきだ。

Aさんなんだか革命みたいですね。あ、そうか、センセイ先日「チェ 28歳の革命」を観た興奮がまだ冷めやらないんだ。


H教授ふふ、ばれたか。でも基本的な方向は間違っていないと思うよ。というか、そういうふうに変えていかなければ、人間社会はこれから何百年も持たないよ。
まあ、政府は3月末までに、日本版グリーン・ニューディールをまとめると言ってるから【6】、それを期待しよう。


EUの温暖化対策提案

Aさんふふ、センセイ、コトバとは裏腹に期待感の欠片もみえないですよ。
ところでEUの欧州委員会が温暖化対策の新提案をまとめたそうですね。
なんでも2020年には年間規模21兆円ぐらいの投資が必要だとか。

H教授うん、年末にコペンハーゲンで開催されるCOP15でのEU提案の原案だ。
先進国は2020年までにGHG排出を対90年比で30%減少させる。途上国に対しては義務とはしないものの、何も対策を講じなかったときに較べて、2020年では15%〜30%カットする対策を求めていて、21兆円の半分以上をそうした途上国対策に費やすとの計画だ。

Aさんその財源はどうするというんですか。

H教授GHGの排出量に応じて先進国が拠出するとしている。

Aさん日本や米国のそれへの対応は?


H教授まだ報道されたばかりだから、よくわからない。ただ、途上国は好意的に受け止めるんじゃないかな。

Aさん先進国対策としては何か提案しているんですか。

H教授京都議定書で対象外となっている国際航空と船舶分野も対象とすることを提案しているし、OECD加盟国に対して2013年までにEUと同じような排出量取引制度を導入し、2015年にはそれの国際市場を導入するとしているそうだ。
排出量取引制度に関しては、オバマさんも乗ってくる可能性があるんじゃないかな。

Aさん日本はやっと試行を始めたばっかりですから【7】、かなりしんどいですね。

H教授うん、どうもEUには先手先手を打たれているような気がするな。


日本の中期目標をめぐって

Aさん日本の中期目標の検討はどうなっているんですか。

H教授官邸の「中期目標検討委員会」は1月23日に第3回会合が開かれ、はじめて本格的な数値論議に入った【8】
翌日の朝日新聞では、2020年のGHG排出量は対90年比で+6%、△4%、△15%、△25%の4案が検討されたと出ていた。最初の2つは昨年5月に経産省がまとめた「長期エネルギー需給見通し」の努力継続ケース、最大導入ケースにそれぞれが該当する【9】

Aさん+6%なんて恥ずかしくて、国際社会に言えないんじゃないですか。

H教授まあ、新聞報道は少し誤解されそうな書き方だったけど、上の4つに加えてさらに△40%の5ケースを仮置きして、社会・経済への影響を仮分析したり、いくつかの指標で国際比較してみたりということで議論されたそうだ。
こうした分析はRITE(地球環境産業技術機構)のDNE21というモデル、国立環境研究所のAIMモデル、それに日本エネルギー経済研究所の開発したモデルの3つを用いたそうだ【10】

Aさんあ、じゃあ、議論はそのモデルの分析結果についてだったんですね。結論は?

H教授そんな簡単に出るわけないじゃないか。「90年比で数%、せいぜい10%減がやっと」という経産省寄りの見解と、「90年比で25%カット、さらには30%カットも可能で、限界費用等で国際的に同じ条件にした場合は概ね15%カットになる」という環境省寄りの見解の対立だったようだ。

Aさんふうん、ということは10から15%カットのどこかで、というところが落としどころですね。「足して2で割る」んだ。


H教授バカ言っちゃいけない。2050年とか22世紀からのバックキャスティグ方式で考えなければいけないんだけど、日本は依然としてそこを考えようとしてせず、現在のトレンドからスタートさせようとしているところが問題なんだ【11】


難航する公務員改革―人事院総裁の反乱

Aさんはは、センセイの持論ですね。
ところで公務員制度改革ももめていますね。今日明日にでも決まるかと思っていた内閣人事局構想に、人事院総裁という“渡り鳥”の役人が真っ向から抵抗しています。

H教授まあ、どっちもどっちだろう。内閣人事局構想なんてのは、旧総務庁官僚の焼け太り構想に政治家がだまされているだけかもしれないし、人事院は権限を取られたくないから、中立性独立性を盾にとっての徹底抗戦。
つまり役所対役所の争いであって、政治家対役所という構図自体を疑うべきかもしれないぜ。

Aさんえー、そうなんですか。
だけど、高給とって高額な退職金を何回も取るような「渡り鳥」「天下り」についても、麻生サンはなんか甘いようです。そんなの絶対、国民は許せませんよ。

H教授まあ、キミの気持ちはわからないでもないし、ボクだって一部の「渡り鳥」や、民間への高給「天下り」についてはそう思うよ。
後者に関して、麻生サンは「押し付け的あっせんによる天下りはさせない」なんて言ってるけど、そんなもの今までの民間への天下りだって、全部民間から要請させた形をとっているんだ。ナンセンス極まりないね。

Aさんそうなんですか。じゃ、やっぱり行き先が民間であろうが、公益法人であろうが、天下りは完全に根絶させるべきですね。

H教授うーん、だけど役人が公益法人への天下りをやめたら、そのポストはどっかの銀行の副頭取なんかがなるだけ。つまり官からの天下りから、民からの天下りに代わるだけだ。
もうコイズミ改革の頃から、そういうのはいくつも出てきた。しかも年収2〜3千万円が低すぎるからといって、そうした民間のお偉いさんの成り手がなかなか見つからなかったらしいぜ。あまりにもバカげているじゃないか。

Aさんじゃ、どうすればいいと?


H教授大体、天下り、天下りっていうけど、環境省だとか地方自治体なんてのは、天下りしたら給料は大幅ダウンが普通だ。世間で批判されるような高給天下りなんてのはほんの一握りに過ぎない。まあ、他省庁のことは知らないけどね【12】
天下り役員の報酬などの中身をオープンにするとともに、生え抜きの人たちがもっと昇進できるようにすればいいだけだと思うな。
それこそ、天下り一年後に生え抜き職員による勤務実態の評価を行ってもらい、リコールも可能にするとか、いろんな工夫があると思うよ。

Aさんセンセ、センセイ。これは環境行政時評ですから、そういう話はいい加減でやめましょう。
今度の国会では何か環境省は法案を提出しているんですか。


自然公園の新たな海域保護制度を予想する

H教授化学物質審査規制法、俗称化審法は見直しについての審議会の報告書が出され、パブコメを経て昨年の暮れに答申されたんだ【13】
自然公園法の方も審議会の小委員会報告書が出され【14】、パブコメの提出期限が先日終わったばかりだけど、まだ答申されてないみたいだ【注】
週刊の環境専門誌では、今国会で化審法改正案と自然公園法改正案が出されると書いてたけど、まだ成案がまとまってないんじゃないかな。
化審法の方は次の機会にするとして、今日は久々に自然公園の話をしよう。

Aさん近々出されそうな自然公園法の改正の目玉はなんですか。

H教授海洋基本計画を受けての海域保護制度の充実強化だろう。日本の自然公園は海域保護が弱いというのが以前から指摘されていたんだ【15】
もちろん、それ以外のことも報告書ではいろいろ述べられていて、それらも一緒に改正されるんだろうがね。

Aさん確か陸域の国立公園国定公園の前面海域は、国立国定公園としての指定はできるけど、特別地域の指定はできず、規制の弱い普通地域にしかできなかったんですよね。

H教授うん、埋立だとかの大規模な開発についての届出を義務付けているだけだ。これを何とかしたいというのが厚生省国立公園部時代からの夢だった。
だけど、壁は厚く、環境庁設立前年の1970年になってようやく海中公園地区という制度ができただけだ。
海中公園地区は現在約70地区、面積合計はわずか四千ヘクタール弱で、1地区当たり平均面積は約50ヘクタールと、まるで点のようなものなんだけどね。

Aさんでも生物多様性の保全上で重要な、浅海域サンゴ礁藻場干潟はそれなりに国立国定公園には指定されているんでしょう?

H教授藻場が5割、サンゴ礁は4割が指定されてはいるけど、干潟にいたってはわずか1割が指定されているにすぎない。しかも規制はきわめて緩い普通地域がほとんどだ。
つまり海域を保全するための指定でなく、陸域の国立公園の景観を守るための緩衝地帯みたいな位置づけだったんだ。
海中公園地区だけは厳しい規制が課されるが、それが浅海域に占める面積は1%以下という情けないありさまだ。

Aさんどうしてですか。


H教授法制上、海中公園地区はその名称の通り、海中景観の保護に特化されていて、すぐれた海中景観を持つ水域しか指定できず、陸域と一体になった海上景観―例えば、岩礁や海鳥―がいくらすぐれていても指定できなかったというのが一つ。
もう一つは、実際問題として、指定に関係省庁の同意を得るのが難しかったことだ。特に水産庁は漁業の保護振興の観点から、指定には難色を示すのが常だったんじゃないかな。

Aさんで、今度の法改正ではどうするんですか。

H教授さあ、まだ成案ができてないようだから、何とも言えない。

Aさん長年の役人経験から、ひとつ予想してみてください。

H教授うーん、まるっきり見当外れだったら、大恥をかいちゃうなあ。まあ、いいか、当たるも八卦、当たらぬも八卦だ、というよりは、あの報告書を前提にして、現実的に可能な、海域保全のためのボクの希望的観測を言っておこう。
まずは現在の陸域国立国定公園の前面海域は、海中景観の保護を前面に押し出した海中公園地区と、陸域公園の景観保全のための緩衝帯のようないわゆる海面普通地域、そして未指定海域という3つになるけど、これを陸域の、特別保護地区特別地域普通地域と同じ構造にする。


Aさんその場合名称は?

H教授さあ、それはどうでもいい。海域特別地域と海域普通地域でいいんじゃないの。陸域の特別保護地区に相当するものだけは現在の海中公園地区でなく、海域保護区とかの新しい名称にした方が、いいかもしれない。
いずれにせよ国立国定公園になる海域は、海中景観だけでなく、海上景観の保護と利用、生態系保全と生物多様性保全、それに里海の保全再生に資するために指定するもので、陸域公園の単なる緩衝地帯やすぐれた海中景観の保護のためだけではないというのを明確に掲げる。
陸域の国立国定公園に接する前面海域は、原則としてすべて国立国定公園にしてしまう。そしてその中で、サンゴ礁、藻場、干潟や自然海岸の前面海域は、海域特別地域にするという想定で、陸域特別地域と同様の要許可制を導入する。そして陸域特別地域と同様1種、2種、3種に分ける。
許可基準では埋立・干拓や海砂や鉱物採取などは原則不許可を明示。遊覧船など動力船の乗り入れも規制する。貴重な動植物の捕獲は学術調査以外は認めない。
漁業関連行為は不要許可行為とし、漁業との共存を図る。遊漁、つまり釣りや潮干狩り、ヨットなどは行為規制というより、海域ごとに関係者と一緒にルールづくりのようなものを行う。

Aさん今までの海中公園地区はどうするんですか。


H教授海域保護区とでも名称を改めて、従来通りの厳しい規制を行う。今までの海中公園地区だけでなく、サンゴ礁や重要な藻場、干潟、それに特にすぐれた海上景観の地域も追加指定できるようにして、従来の点的保全から面的保全を目指す。
海中公園地区では漁獲規制を行っていて、国立国定公園ごとに規制する魚種も定めているが、海域保護区ごとに定めるように改めれば、水産庁や漁業者も了解するんじゃないかな。

Aさん線引きが大変でしょうね。

H教授暫定的な措置として、接する陸域の地種区分をそのまま延長すればいいじゃないか。海域保護区は従来の海中公園地区に、陸域特別保護地区の前面海域ということでスタートさせりゃいい。

Aさんそりゃあ、ちょっと安易すぎるんじゃあ。それに、いくらそういうイメージで制度案を考えたって、他省庁が同意しなければどうしようもないでしょう。

H教授そもそも審議会の報告書を出す段階で、水面下で協議され、内々の同意があったんじゃないかな。もし、そうなら、全面戦争にはならないさ。水産庁は漁業規制さえしなければ問題はないだろうし、むしろ歓迎して共闘するかもしれない。


Aさんとなると、問題は、埋立だとか海上交通を所管する国土交通省ですね。

H教授そうだな。埋立の構想を持っている海域については、指定の段階で抵抗するだろうし、法改正のときにもいっぱい注文をつけて覚書を取ろうとするだろう。
だけど、浅海域の保護は閣議決定された海洋基本計画に明記してあるし、審議会の報告書だって内々同意したんなら、真っ向からの反対はできないと思うよ。
審議会の報告書にまったく噛んでなかったんなら、話は別だけどね。

Aさん報告書段階で各省の内々の調整がなされたとなると、各省協議も順調にいくということですか。

H教授それはわからない。何を規制しようとするかで変わってくる。
漁業との共存というけど、養殖の給餌で海底のヘドロ化や富栄養化が問題になっている水域もある。そういったものまで規制しようとすれば、多分もめるだろうから、見送って、別のやりかたを考えた方が賢明かもしれない。
沖縄などでは陸域からの赤土流入が問題になっているけど、陸域での行為規制は難しいから見送って、まずは指定を優先し、二段階で考える方がいいような気がする。
現に審議会の報告書でも、触れてないからね。
あと、里海の保全再生のようなことが、よく言われている。セットで、沿岸の地域振興に役立つような何かがあればいいんだけどね。

Aさんふふ、センセイの“希望的観測”と、実際の改正案とのギャップはどの程度あるんでしょうね。
ところで国立国定公園の前面海域以外はどうするんですか。
海洋基本計画では浅海域全体の保護を言ってますし、浅海域に限らない「海洋保護区」の提言もしていますよ。


H教授自然環境保全法に基づく自然環境保全地域については、報告書でも触れているから、同時に、同様の趣旨内容での自然環境保全法の改正は可能だろうし、するだろう。
あと、都道府県立自然公園や都道府県自然環境保全地区は、現行法では指定自体が陸域に限定されているが、それをどうするかだけど、報告書でも触れてないから、パスだろう。
まったくの白地地域の前面浅海域や、沖合いの海洋保護区みたいなものについては、特定の海域だけを国立国定公園に指定することは理論上は不可能じゃないかもしれないけど、実際には無理だろう。
生物多様性条約COP10が来年名古屋で開催される。そうした機会をつかまえて、別に新法を考えているんじゃないかという気がする。

Aさんセンセイ、このことについて、環境省関係のお友達からの情報はなにかありました?

H教授いや、まったくない。大体、環境省へはもう半年以上行っていないんだ。

Aさんうふふ、センセイは役人やめて13年、自然公園・自然保護行政を去って25年ですよね。センセイの“希望的観測”がどれだけ現実を反映したものになっているかによって、ご専門と自負される「環境役人生態学」【16】がどの程度のものであるかという試金石にもなりそうですね。
あと自然公園関係では何かありますか。


アクティブ・レンジャー一期生卒業

H教授小池元大臣のときに始まったアクティブ・レンジャー制度【17】だけど、現在は80人が働いている。
彼らは1年ごとの更新で最長4年間という非常勤国家公務員なんだけど、その一期生がいよいよこの春に任期を終えるんだ。
今「派遣切り」が問題になっているけど、さまざまな経験を積み、知識を蓄え、地元との絆を深めてきた有能なアクティブ・レンジャーをこのまま放り出すのは非情だし、第一あまりにもったいないでないかという新聞記事が出ていた。

Aさんセンセイはどう思われます。

H教授ボクもそう思うよ。現在、レンジャーになろうと思えば、I種は「農学III」、II種は「林学」「農学」「土木」といった技術系職種の公務員試験を受け、環境省に入省することが前提だけど、入省できたとしても確実になれるとは限らないし、なれたとしても配属先を選ぶことはできない。
近年はI種は基本的には本省要員として考えているような節もあるから、レンジャーになりたくて仕方がない人は、院卒などの高学歴でもI種よりもII種を選ぶ傾向があるそうだ。

Aさんアクティブ・レンジャーはどうなんですか。

H教授アクティブ・レンジャーは地方環境事務所採用だ。
期限付き公務員という不安定な職なんだけど、配属先を自分で選べるので、高学歴のナチュラリスト志望の人たちも随分多いらしい。ゼミ実習や合宿などで見た限り、確かに優秀な人がいるから、正直、もったいないと思う。


Aさんじゃあ、どうすればいいと。

H教授I種はともかくとして、II種に代えて、あるいはII種と平行して、レンジャー専門職というのを考えればどうかと思う。
公務員試験はふつう新卒を対象としたペーパー試験だけだけど、専門職だったら実技試験や経験などを重視すればいいと思う。現に研究職は公務員試験でなく、選考採用というのが多い。専門職としてのレンジャーも同じだと思うな。
JICAでも、青年海外協力隊経験者から優秀な人を、ジュニア専門員として登用する道を開いている。
縁故でなく、透明性を担保しなくちゃいけないのは当然だが、そういうルートを切り開くべきだと思うな。

Aさんふふ、でも実技試験なんてのを、公務員試験に取り入れていたら、間違いなくセンセイはレンジャーになれなかったですね。動植物のことをまったく知らないですもんね。

H教授その代わりボクには鉱物がある。米国のレンジャーには歴史の専門家みたいな人もいて活躍している。日本でも、バックグラウンドを造園・林学だとか動植物だけに限定しちゃいけないと思うな。


ダーウィン生誕200年

Aさんはいはい。
ところで今年はダーウィン生誕200年だそうですね。本屋に行くとダーウィン進化論は間違っているというような本が随分ありますが、どうなんですか。

H教授はは、相対性理論でも同じような本がいっぱいある。有象無象の温暖化対策反対論【18】とまったく同じだな。本さえ売れればいいと考えているわけじゃないと思うが、武田邦彦センセイみたいなトンデモさん【19】が世の中にはいっぱいいるんだ。

Aさんじゃあ、ダーウィン進化論は正しいんですか。

H教授ダーウィンとウォレスが進化論を発表した頃は、DNAはおろか遺伝子や染色体の存在さえ知られていなかった。メンデルの法則さえ知られてなかった時代なんだぜ。
そして全ての生物種は神が創造されたというのが、不動の真理と思われていたんだ。
そうした時代に、ダーウィンとウォレスは自然選択により種は変異すると喝破した。

Aさんどうしてそんなことを思い付いたんですか。


H教授ダーウィンはビーグル号に乗ってガラパゴスに行き、ウォレスはもっと広くアマゾンやマレー諸島などの未開の地を回り、生物を観察してそう確信したんだと言う。
今では、進化そのものを否定するマトモな科学者は皆無だろう。
もっとも米国では過半数の国民が今でも創造説を信じていて、創造説をカモフラージュした「創造科学」を学校でも教えろ!という動きが盛んらしい。実はブッシュさんもその支持者らしいよ。

Aさん日本はどうだったんですか

H教授日本は輪廻の思想みたいなものが昔からあったから、割と簡単に受容された。

Aさんでも本屋にいくと、ダーウィンは間違っているみたいなタイトルの本が随分ありますよ。

H教授ダーウィンは進化は起きると主張し、その原動力は自然選択だとしたけど、当時は、進化のメカニズム自体はわかっていなかった。
その後、子孫を残すとき複製のミスが起こる、つまり突然変異が起きることが知られ、突然変異+自然選択というのがダーウィニズムの基本になる。
第二次大戦後になると、DNAやRNAのことなども知られ、集団遺伝学なども発展し、今では進化の総合説、ネオ・ダーウィニズムというのが主流になっている。


Aさんじゃ、進化のメカニズムは解明されたんですね。

H教授そんなことはない、今だってわからないことはいっぱいある。
だから、進化のメカニズムに新たな要素を付加しようとする説はいろいろ出てきている。だけど、突然変異や自然選択を否定したり、進化という事実そのものを否定するような人はほとんどいないと思うよ。
まあ、本のタイトルはセンセーショナルな方が売れるからというんで、「ダーウィンは間違っている」となるんだろうけど。
ダーウィンが当時思っていたことと違ったことだって随分ある。だからといって、ダーウィンは間違っていたことにはならない。

Aさん例えば?

H教授ダーウィンは進化は漸進的に起こると思っていたけど、必ずしもそうじゃないこともあるらしいことなどもわかってきた。
環境の激変時などに急激に進化が起きるという断続平衡説というのを、数年前に死んだS・J・グールドが唱えた。また彼は、強いものが生き残るというよりは、運のよいものが生き残るみたいなことも言っていて、反ダーウィン論者が喝采したけど、当のグールド自身は死ぬまでダーウィン主義者だと自認していたし、「創造科学」は科学ではないと厳しく非難していた。
ちなみにグールドの論敵が、利己的遺伝子で有名なR・ドーキンスだけど、彼も断固たるダーウィン主義者。
日本人では木村資生が分子進化の中立説というのを発表して、自然選択を否認したかのごとく報じられたが、当の本人は自然選択を認めているし、ダーウィン主義者を自認している。

Aさん今西進化論というのは?


H教授あは、今西錦司大先生のやつね。あれは科学とは言えない。ご本人だってそうは思っていなかっただろう。
構造主義進化論などと大仰なことを言っている人もいるが、進化のメカニズムに一切触れられていないから、仮説の名にも値しないと思うよ。
つまりダーウィンの進化論に対抗しうるのは、古典的な創造説以外は未だにない。創造説は今では「創造科学」だなどと自称しているけど、結局は全て神に委ねるわけだから、論証不可能で、疑似科学というしかない。
それに進化というのはかつては仮説だったけど、今では種の分化という事象がリアルタイムに起きていることも科学的に確認されていて、もはや仮説ではない。

Aさんダーウィニズムというのは、「適者生存」ということでしょう。勝てば官軍みたいなもので、差別や抑圧を是認することにならないかしら。

H教授スペンサーなどの社会ダーウィニズムだね。それはダーウィンの進化論を悪用しただけで、科学のダーウィニズムとは関係ない。
ダーウィンと同時期に、独立して、というか先行して同様の論を唱えたA・ウォレスは、根っからの人種的偏見を持たない平等主義者で、原住民を差別しなかったそうだぜ。

Aさんウォレス?

H教授ダーウィンは上流階級の出だったけど、ウォレスは貧しい探険家で、いろんな未開の地を回り、生物の標本を採集して生計を立てていた。
彼がそうした中で書いた論文を、尊敬するダーウィンに送ったんだ。その論文には、ダーウィンが以前から考えを暖めていたものの、それを発表することによる世間の反発を思うと発表に躊躇していたことと、ほとんど同じことが書かれていた。だからダーウィンは急遽自らも「種の起源」を著して、ウォレスの論文と同時に発表したんだ。


Aさんということは、ダーウィンはウォレスを盗作したということも考えられるのでないですか。

H教授「ダーウィンに消された男」(A・C・ブラックマン 朝日新聞社)ではそう匂わせているけど、ウォレスと同じことを以前からダーウィンが考えていたことは事実らしいし、証拠もある。
それにウォレス自身は生涯ダーウィンを師と仰ぎ、心から尽くしていたみたいだし、またダーウィンの方も貧しいウォレスを随分援助したみたいだから、盗作云々は下衆の勘ぐりというものだろう。
ウォレスは生涯の終わりには心霊主義にはまったらしいけど、ボク自身はダーウィンよりもウォレスの生きざまに惹かれるなあ。
あと、くれぐれも進化と進歩を混同しないように。進化には価値判断は入っていないからな。

Aさんはい、はい。
ところで、センセイ、前講でバブル崩壊や今回の経済危機を、前もって予見し防げなかったのは「人間社会が進化システムであるがゆえの宿命ということかなあ」とおっしゃってましたね【20】

H教授ああ、あれはI先生のおっしゃられるダーウィン・ディレンマ【21】から連想した、単なる思い付きにすぎない。
だけど、I先生が今回の経済危機については、それがまさに金融システム自体が進化システムであり、進化システムが持つ特性である「(1)抑制を受けない自己複製子は暴走する、(2)ダーウィン・ディレンマ、(3)スケールフリーシステム」の発現であることを見事に論証されている。


Aさん要するに、「♪わかっちゃいるけどやめられない、あ、ほれ、すいすいすーだらだった♪」のスーダラ節のノリでいくしかなかったということなんですね。

H教授ス、スーダラ節?…(絶句)

Aさんアタシのオヤジが、よく唄ってるんですよ【22】


注釈

【1】横出し規制の例
和歌山市排出水の色等規制条例
【2】米国のグリーン・ニューディール政策
EICネット海外ニュース「オバマ大統領のグリーン雇用戦略は「一石四鳥」」
【3】グリーン・ニューディールへの幻想
第72講「2009年、霧中の旅」
【4】政府が「経済財政の中長期方針と10年展望」を閣議決定
経済財政諮問会議>「経済財政の中長期方針と10年展望」が閣議決定
【5】泡瀬干潟の埋立を巡る状況
第71講「「時のアセス」を考える ──泡瀬干潟埋立に画期的判決」
【6】日本版グリーンニューディール
環境省>「緑の経済と社会の変革」(日本版グリーン・ニュー・ディール)のアイデア募集中!
EICネット海外ニュース「日本・韓国 グリーン・ニューディール政策を打ち出す」
【7】排出量取引制度の導入
第72講「自然エネルギー復興に向けて ──拡大PPP論」
【8】首相官邸「地球温暖化問題に関する懇談会 中期目標検討委員会」
首相官邸>第3回 議事次第と配布資料
首相官邸>地球温暖化問題に関する懇談会の開催状況
第71講「COP14前夜」
【9】GHGの排出量試算と長期エネルギー需給見通し
第63講「「長期エネルギー需給見通し」の陥穽」
【10】地球温暖化影響予測のための気候モデル
(財)地球環境産業技術研究機構>統合評価モデルDNE21の概要
(独)国立環境研究所>AIMモデル(Asian Pacific Integrated Model)
地球温暖化の影響と対策効果プロジェクト(独立行政法人国立環境研究所)
【11】トレンド予測ではなく、バックキャスティング方式で
第63講「「長期エネルギー需給見通し」の陥穽」
【12】天下りの実態
第41講「公益法人と随意契約再論」
第53講「談合と天下り余聞」
【13】化学物質審査規制法の見直し結果と中環審答申
EICネット国内ニュース「化審法見直し合同委員会報告書」まとまり、中環審答申へ 意見募集結果も公表
第3講「ダイオキシンの虚実」
【14】自然公園法小委員会報告書
環境省>中央環境審議会自然環境部会自然公園のあり方検討小委員会「自然公園法の施行状況等を踏まえた今後講ずべき必要な措置について(報告書案)」に係る意見の募集(パブリックコメント)について(お知らせ)
【注】編集中の2月5日付で答申されました。
【15】日本の海域保護
第70講「海洋保護区の設定、検討開始」
内閣府>海洋基本計画
【16】キョージュの役人生態学
第19講「環境役人生態学―休暇考」
【17】アクティブ・レンジャー
第25講「アクティブ・レンジャー」
【18】有象無象の温暖化対策反対論
第50講「温暖化を疑い、反温暖化対策論を疑う」
【19】武田邦彦センセイのようなトンデモさん
第66講「書評―『“環境問題のウソ”のウソ』」
第14講「ダイオキシンの余波と、リサイクルの功罪?」
【20】人間社会と進化システム
第72講「2009年、霧中の旅」
【21】ダーウィン・ジレンマ
第70講「ヒトは「ダーウィン・ディレンマ」を超えられるか」
【22】Aさんのオヤジ
第6講「読者の声大特集」
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(平成21年1月31日執筆、同年2月4日編集了)

註:本講の見解は環境省およびEICの見解とはまったく関係ありません。また、本講で用いた情報は朝日新聞と「エネルギーと環境」(週刊)に多くを負っています。

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