一般財団法人環境イノベーション情報機構
キーワード5:人工林の間伐
単一樹種の人工林は、間伐をしないとやせ細って土砂崩れを引き起こす。では、どこでもともかく間伐すれば状況は改善する?
今日、間伐が必要な“放置林”は、山主に放置しているという自覚がないことも多いそうです。間伐促進の補助事業も、荒れた森林現状に応じてどこで何をすべきかを検討することよりも、優先順位も決めずに事業実績を積み上げていくだけという傾向があるようにもみえます。
長野県に源を発し、愛知県三河湾に注ぎ込む矢作川流域で人工林の管理放置の実態を科学的・統計的に把握しようというのが、「森の健康診断」の取り組みです。市民と研究者の対等なパートナーシップを築き、楽しくて科学的な調査を行って、流域再生をめざした活動。結果として、生物多様性の保全に大きく関わっています。
都市部が山間部の自然の恵みを搾取する構図は、生物多様性を巡る国際的な南北問題の縮図のようにも写るといいます。地球規模の生物多様性というと、捉えどころもない問題のようにも思えますが、地域の流域の自然を調べることからはじめていくことで自分事の問題として捉え直すことができるのかも知れません。
この特集ページは平成22年度地球環境基金の助成により作成されました。