一般財団法人環境イノベーション情報機構
キーワード3:海のゆりかご
“鳴き砂を守る”って、「砂」は生きものじゃないけど、生物多様性と関係あるの?
キーワード3:海のゆりかご
“海のゆりかご”とも言われるアマモ場って、なに?
“海のゆりかご”というと、主に熱帯海域に発達するサンゴ礁が有名ですが、より緯度の高い海域では、「藻場」と呼ばれる沿岸域の海草・海藻の群落が、多くの生きものの生息・繁殖場所になっています。
アマモ場とは、こうした藻場のうち、アマモなど被子植物の海草類によって形成されたものを言い、これらの植物体そのものを食べる貝類などの生きものや、アマモなどに付着する微生物をエサにする小型の魚類や甲殻類、貝類など、さらにそれらを補食するより大型の魚など、多くの生きものが集まってきます。
一方で、人間の経済活動による沿岸域の埋め立てや護岸工事、水質汚濁などによってアマモ場は減少しています。近年は、これらアマモ場の保全・再生をめざした取り組みが全国的に広まってきています。
なお、アマモの生育には、水質や底質がきれいで、海岸線や浅海域が人工構造物の建築・開発によって乱されていないことも必要なため、海岸の指標生物とされています。
この特集ページは平成22年度地球環境基金の助成により作成されました。