No.036
Issued: 2006.01.05
第36講 本時評の2年半を振り返る(その4)付:2005年環境十大ニュース
環境十大ニュース2005
H教授やあ、新年オメデトウ! 読者のみなさんもおめでとうございます。今年もこの凸凹コンビをご贔屓にお願いします。あっ、キミはもう卒業か。
Aさんオメデトウございます。えー、卒業は延期することにしました。そうしないとセンセイ、ひとりぼっちになっちゃって可哀想でしょう。
H教授修論が書けないとスナオに言やあいいじゃないか。
Aさんへへ、まあいいじゃないですか。
ところで年末はニッポン列島は寒々と真っ白に染まっちゃいましたね。“地球温暖化”なんて、どこへ行っちゃったんでしょう。
H教授温室効果ガスが増えると温暖化だけでなくさまざまな異常気象も起こりやすくなるそうだ。だから「温暖化防止枠組条約」と言わずに「気候変動枠組条約」というんだ。
Aさんへえ、そうなんですか。
H教授...じゃあないかと思うんだけどなあ。
Aさんなあんだ、またハッタリか。
まあ、それにしても豪雪だけじゃなく、酷暑、台風、ハリケーンと、今年もいろいろとありましたもんねえ。
そうだ、昨年の環境十大ニュースを選びませんか【1】。
H教授うーん、でもどこまでを環境ニュースっていうか難しいぜ。夏の総選挙でコイズミさんが圧勝したっていう話は直接的には環境ニュースとはいえないけど、今後の環境政策には大きな影響を与えかねない。
Aさんいいんですよ、センセイとアタシが環境ニュースだと言えばそれで決まり。この時評は独断と偏見が「売り」じゃないですか。
H教授そうか、じゃあキミから挙げてごらん。
Aさんなんといっても一番はアスベスト問題でしょう。7月以降ニホンを震撼とさせましたもん。時評でも第31講から毎回取り上げてますし。
H教授うん、今年もこの問題はつづくだろうなあ。数年前、ダイオキシンや環境ホルモンが騒ぎになったけど、あちらは「一犬虚を吠ゆれば万犬実を伝う」みたいなところがあった。
それに比べりゃあ、アスベストのほうは現に多くの死者を出しているもんなあ。こちらのほうがより深刻な問題だ。
Aさんは? “一見居を穂揺れば番堅術を使う?” ──どういうことですか?
H教授「一犬虚を吠ゆえれば万犬」、まったくキミには知性のカケラも感じられないね、感じられるのは“痴性”だけ、...いや“稚性”かな。
Aさん春から言いたい放題ですねえ。そういうのを「弱い犬ほどよく吠える」っていうんですよ。イヌ年だからってムリに死語をひっぱってくるセンセイのほうがどうかしてますよ(と軽くいなす)。
十大ニュース、その2番目は2月の京都議定書発効でしょう。
H教授関連するものとして4月に京都議定書目標達成計画【2】が閣議決定された。どこまで意味があるかわからないけど。
Aさんそういう意味ではクールビズ【3】のほうが実効性があったかも。これが3つ目ですね。
H教授昔、羽田内閣時代に省エネルック【4】というのを政府が提唱したけど、笛吹けども踊らずだった。そういう意味ではそれだけ環境問題の深刻さが市民レベルでも受け入れられてきたかもしれない。
Aさん温暖化関連では12月のCOP/MOP1【5】の話が欠かせないですねえ。これが4番目、それから環境税がまたもや流産しましたけど、道路特定財源の一般財源化が決まったり、エネ特会と石油特会の統合方針が出されたりと、温暖化の財源対策のほうはなんとかなりそうな情勢になってきたじゃないですか。これが5番目。
H教授おいおい、温暖化の話ばかりじゃないか。それに環境税の話は多分今年(2006年)も問題になるし、道路特定財源の一般財源化や使途の話の具体策は今年夏まで持ち越し。コイズミマジックがそこまで持つかどうかわからないぜ。
Aさんじゃあ、6番目は温暖化を離れてフェロシルト事件【6】ですね。
H教授うーん、とんでもない事件だったな。そのあと例の耐震設計偽造事件であまり目立たなくなったけど、こちらのほうも事件の構造をきちんと明らかにしてほしいね。
とんでもない事件といえば中国の松花江(ソンホワチアン)事件【7】。一個くらい海外の環境ニュースも入れておこう。大量のニトロベンゼンが流出し、ロシアまで影響が及んだ。大気汚染の越境移動はよく聞くけど、水のほうじゃ珍しい。
Aさん8番目はオオクチバスの特定外来生物指定を巡るドタバタ劇【8】かな。これには、センセイもひどい目にあってますもんねえ。
H教授今度の卒論で、昔バス釣りにはまっていたゼミ生がこの問題を取り上げている。“好きこそ物の上手なれ”で、よくできた卒論だった。バス擁護派、なかでも原理主義者に読ませてやりたいよ。
Aさん9番目、なにか明るいニュースでいきましょう。知床の世界自然遺産登録【9】。
Aさんじゃあ、十大ニュースのトリは?
H教授うーん、それは読者に選んでもらおう。なんかいっぱいあるぜ。
淀川水系着工済み5ダムも一部廃止や規模縮小に踏み出した。小田急訴訟では滅多にないことだけど、なんと最高裁が原告適格を幅広く認定した【11】。この2つはちょこっとしか新聞には出てなかったが、これは結構大きいよ。
愛知万博も話題を呼んだ【12】し、LOHASなんて耳慣れない言葉が輸入されて流行語になった【13】。そうそう、コウノトリ放鳥の話もあった【14】。容器リ法見直しの議論が行われている中で、レジ袋有料化という方針が出された【15】し、再資源化費用の負担を巡っての産業界の内ゲバが公然化した。また在日米軍再編問題が地元や自治体の頭越しに決着がついたみたいなんだけど、普天間基地や辺野古の問題が大きく転回しそうだ。
そうそう、もう一つ、身内のニュースみたいで恐縮だけど、環境省の地方支分部局として地方環境事務所が発足し、またアクティブ・レンジャーが誕生したことも忘れちゃあならない【16】。
Aさん環境問題に関連があったり、あるかもしれない一般ニュースもいっぱいありましたね。
H教授うん、冒頭の異常気象の話だろう。それに、つい先日のニュースだけど日本の人口は減少をはじめた【17】。予想以上の早さだった。原油価格の高騰もあったし、エチゼンクラゲの異常発生もあった。米国産牛肉の輸入解禁も話題になった。昨年以上に問題になりそうなのは鳥インフルエンザだろう。スペイン風邪の再来じゃないかという話もある。
時評、2年半を振り返る その4、最終
Aさんうーん、この調子じゃあ2006年も結構いろいろありそうですね。
ところで、「2年半を振り返る」ですが、もう3年過ぎちゃいましたよ。さっさと今回で片付けましょう。
H教授(小さく)片付けてしまったら、来月からのネタ探しがたいへんになるじゃないか...(ブツブツ)。
Aさん(無視して)まずは第24講ですね。ちょうど一年前です。
Aさんブエノスアイレスで'04年12月開催されたCOP10が最初の話題。適応策を話し合うためのブエノスアイレス作業計画が決まったけれど、第二約束期間については米国の抵抗で議題にすら上らなかったと嘆いていました。
H教授1年後、ついこのあいだのCOP/MOPで、ようやく米国も含めて第二約束期間について対話をする委員会の設置が決まったばかりだ。
AさんEU諸国では脱化石燃料を視野に入れた数十年先の超長期ビジョンを作成している、日本もそういうビジョン作りを真剣に考えねばダメだと力説されてましたね。
H教授だって日本の長期ビジョンなんて、ただ願望を寄せ集めただけだもん。もっとも基礎となる人口予測だって甘めに甘めに見積もってるから年金も破綻するんだ。先日、データが発表されたけど、ついに昨年は一昨年より人口が減少した。ついに人口減少時代に昨年から入ったんだ。財政だって似たようなもんだ。基礎となる経済見通しも願望が入り混じっちゃってて...。
Aさんその財政の話なんですけど、大増税時代がやってくるのに環境税だけはまた見送りだと嘆いてました。そして2006年度もまた見送り。センセイ、やけくそになって「日本も米国みたいな巨大な途上国になるつもりか!」と激昂しておられました。“米国=巨大途上国”なんて、はじめて聞きました。
H教授ボクが言ったんじゃない。国連大学の安井先生の説を紹介したんだ。
Aさんで、本線が地方自治体の環境行政論。出向時代の経験談なんかも交えてのお得意の役人生態学地方版でした。しきりに、これからの環境行政は地方にかかっているとアピってました。読者の反応はどうでした。
H教授いくつかあったよ。
──というお便りがあったし、
──というお便りもあった。
面白かったのはボクは江戸時代論なんかやったことはないはずだのに、江戸時代に触れたお便りがふたつあったことだ。
ひとつは、
で、もうひとつが、
──というものだ。
Aさんセンセイはどう思われるんですか。
H教授江戸時代に返るのは不可能だし、理想社会だなんて思わないけど、学ぶべき点はいっぱいあると思う。江戸物の小説を読むのは好きだし、石川英輔サンの江戸時代文明論も興味津々だ。ただ、全体として江戸時代をどう評価するかは難しい。ま、いずれ一席ぶつことにするよ。
Aさんじゃあ、次。第25講です。
Aさん2004年末に起きたスマトラ沖の大津波や発効間近だった京都議定書の話題にさらっと触れた後、三宅島の帰島に関連して火山などの自然汚染をどう考えるかの話。そして、2005年度環境省予算案の概説では随分ネガティブな評価でした。アクテイブ・レンジャー制度や地方環境事務所の創設にエールを送って、本論がオオクチバスの特定外来生物指定を巡る考察でした。センセイは指定賛成派でしたが、随分非難のお便りが届きましたよね。
H教授うん、この講はお便りが多かった、バス擁護派の方のものはさっそく第26講で紹介したけど、それだけでなく、
──に始まる長文の、養殖漁業まで全否定されるようなウルトラ保護派の方からのお便りも何通かあった。
変わったお便りとしては、
──というのがあった。どういう比喩なんだろうなあ。
Aさんでもこういうお便りもあったじゃないですか。
──センセイ、うれしかったでしょう。
H教授それよりも、G先生ってだれだろう、W教授ってだれだろうと思っちゃった。
あと、本講ではアクテイブ・レンジャーへの期待を述べた。これは第27講へのお便りだけど、
──というのがあった。今頃、A・レンジャーとして活躍されてるのかなあ。
Aさん第26講です。
Aさんゼミ旅行で行った辺野古の話が冒頭です。激しい反対運動が起きていたんですが、今は、沖合いではなく辺野古崎埋立ということで政府としての結論を出したようですね。
H教授反対派の人はもちろん、地元や自治体の頭越しにね。どうかと思うよねえ。
Aさんで、そのあとが前講に引き続いてバスの話。擁護派の人のお便り紹介とそれへの所感などで、センセイ、だいぶ困惑されてましたね。京都議定書発効を受けての最新動向を紹介、論評されたあと、本論です。
まず、全国総合開発計画、通称「全総」が廃止になる話題で、次いで土地利用基本計画の仕組みを紹介され、個別法を追認するだけの形式的な上位、先行計画に過ぎないと喝破されてました。
H教授役に立つ面もあると言ったはずだ。それから全総のようなものでなく、第24講その1で取り上げたような超長期ビジョンが必要だとも言ったぞ【18】。
Aさん役に立つってのは国土利用の動向を知るデータベースとしてですよね。
で、そのあとその土地利用基本計画の5地域区分のひとつ「自然保全地域」と連動する自然環境保全法の保全地域の指定がなぜ進まないか、ご自分の反省を踏まえて論評されてました。
H教授うん、白神山地の調査にマタギの人の案内で一週間も山に入り、その結果を踏まえて林野庁と指定の交渉をしようと思ったんだけど、まるっきり門前払いの扱いで口惜しかったなあ。
Aさんそして最後がセンセイの書かれた私説・環境庁30年史【19】のPR。なんか反応、反響ありました。
H教授...ぼくのホームページにもアップしたんだけどなあ。
Aさんなかったんだ。じゃ、本講への読者の反応は?
H教授この講は少なかったなあ。本論と直接関連するお便りとしては
ところで、スウェーデンのナチュラルステップなど、“真の超長期ビジョン”というか、指針になるようなめざすべき社会像に対するイメージの明確化・共有は、とても大事だし、今の世の中にとって必要なんだろうと思います。先生にとっては、どんな社会像なんでしょうか。いつか、ぜひとりあげてください。いろんな既存のビジョンの総覧をしつつ、持論をご紹介いただくという形もおもしろいのではないでしょうか
──というのがあった。
Aさんセンセイ、宿題が出されましたよ。ところでナチュラルステップってご存知でした?
H教授...さ、次、いこう。第27講だったな。
Aさん今回は人妻同伴で行かれた道東旅行の話がきっかけで、突然訪問して散々お世話になった、というか迷惑をかけた釧路地区自然保護事務所へのご恩返しで、知床世界遺産登録をめぐる事務所の奮闘振りをとりあげています。
もちろんセンセイのことだから北方四島やムネオさんに絡めて国家概念は虚妄だとか、いっぱい脱線してますけどね。
H教授へん、ちゃんとこういうお便りがあったぞ。
Aさんでもこのお便りだって、国家は共同幻想に過ぎないなんて言ってないじゃないですか。
で、そのあとが愛知万博。環境をテーマにした初めての万博だったけど、センセイの評価は低かったですね。結果的には大入り満員だったですけどね。
H教授だから、興行としての成功と真の意味での成功は違うと言ってるの。こういうお便りもあったじゃないか。
──ってね。
Aさんそのお便りは最初のお便りの続きじゃないですか。それに生分解性プラスチックへの疑問を述べてるだけで、別に愛知万博そのものにネガティブな評価なんてしてないじゃないですか。
H教授...そうそう、こういうお便りもあった。
Aさん...で、最後が環境省国会提出法案の概要と論評でした。
Aさんさ、いよいよ第28講です。JR福知山線の大事故が冒頭だったですねえ。
H教授うん、悲惨な事故だった。改めてご冥福をお祈りしよう。
Aさん前講に引き続いての万博話。コイズミさんの指示で弁当持込を認めた事務局に怒ってましたね。「上の声より、下々の声を聴け」って。あと水俣病では、環境省はダブルスタンダードじゃないかって一言。そしてバスがついに特定外来生物に指定されたとの報告のあと、今回は延々と水質総量規制と水質指標の話をされました。
でも、それは専門家のご意見を伺うためだと聞いて、アタシャ、ハラワタが煮えくり返りそうになりました。
さぞかし、酷評がいっぱい来たでしょう。
H教授いや、反響は乏しかった。でも漁師の方からお便りをいただき、それを第29講で紹介したら、すごい感謝のお便りをいただき、かえって恐縮した。
Aさんへん、第29講にいきます。
Aさんいつまで経っても福知山線が開通しないので、怒りを爆発させてましたね。そのあとが水難事故の話題で、管理責任と自己責任の原則をきちんとしておくべきだとの宣託。
それからレジ袋有料化談義と諫早干拓の工事中止の仮処分決定に関連して、諫早干拓の自説を開陳してくれました。それから前述の漁師さんのお便りの紹介とコメント。
そのあとが本時評初めてのフロンとオゾンの話を延々としてくれました。
でも肝心のところは「不論」だの「大損」だのという愚にもつかないダジャレで誤魔化して、またしても信用を落としました。
H教授う、うるさい。
Aさんで、読者の反応はいかがでした。
H教授ほとんどなかったなあ。アンケートが3通で、「わが意を得たり」「目からウロコ!」「少し参考になった」が各一通。
ご意見では、
「ノンフロン冷蔵庫の冷媒は、カセットコンロ等に用いられるブタン・イソブタンという可燃性炭化水素です。環境問題を考える余り、基本的なユーザーの安全性が無視されている現実を取り上げて欲しかったです」
──というのがあった。
Aさんセンセイは環境のことだけ言ってて、安全性のことを無視したわけじゃあないんですよ。ただ無知なだけだったんです。
H教授無知なボクに教えを請うキミはさしずめ無知無知じゃないか。そういえば、キミ、肉付きもよくなったなあ、ムチムチとしてるよ。
Aさんセクハラじゃないですか、センセイのバカ! そういうのを厚顔無恥っていうんです!
H教授そういえば昔、紅顔の美少年といわれたなあ。
Aさんええい! さあ、第30講です。
Aさん去年の梅雨は空梅雨でしたが、その話題が最初。それに関連して、えげつないひっかけ問題を出してくれましたよねえ(恨)。
H教授せめて中学生程度の社会科の知識はあると思ってたんだけどねえ。
Aさんう、うるさいんです。
ま、とにかく無事、第30講まで続いたというんで、お互い感慨に浸ってました。
そのあとはレジ袋有料化の法制化方針が決まったという話に始まり、容器包装リサイクル法見直しの現段階を概説、そして中国へのペットボトル流出の意味するものを論じてました。
一方、EUの動向ってことで、WEEE指令やRoHS(ローズ)指令の話題。三重で発覚した産廃不法投棄や国立環境研究所公開シンポの話など。で、最後が温暖化対策最前線ということで、トリが「デ・カップリング」の話でした。
H教授読者からのお便りでは、
私は、ISO14001の事務局をやっていますが、結局煙たがられ、環境負荷を本当に軽減させようにも、理由をつけられ骨抜きにされてしまうという事を多く経験していますが、それは弊社だけでなく日本全体の問題だったのかと気づくことが出来ました。悲しい現実ですね
──というのがあった。
また、30回を迎えたというので、
──とか、
─というのがあった。
EICのM専務! これだけじゃなく、今までに「絶対買うから書籍化しろ」という読者のお便りが二桁もありましたよ。真剣に考えてください! ボクもあさってで61歳【20】。せめて一冊くらい単行本を著わして父母や兄の墓前に捧げたいんです。
Aさん(涙ぐんで)そうですよねえ。印税なんかなくてもいいですから、老い先短いセンセイの願いを叶えてあげてください。ワタシからもお願いします。
ところで、二桁って?
H教授(胸を張って)10人だ!
Aさん(がっくり)...もう終わりましょう。疲れちゃったわ。
それじゃあ、読者の皆様、よいお年を。
H教授新年だと言ってるのに...。
注釈
- 【1】環境十大ニュース2005
- なお、EICネットの環境ニュース編集部特選「2005年環境重大ニュース(国内・海外編)」も、併せてご覧ください。
- 【2】京都議定書目標達成計画
- 【3】クールビズ
- 【4】省エネルック
- 【5】COP/MOP1
- 【6】フェロシルト事件
- 【7】中国松花江事件
- 2005年11月、中国東北部の吉林省にある石油化学工場で相次いで大規模な爆発が発生。有害物質が黒竜江(アムール川)支流の松花江に流れ込み、水質が汚染された。この事故で、当初、中国地方政府の情報開示が後手に回り、影響が深刻化したとして批判された事件。
- 【8】オオクチバスの特定外来生物指定を巡るドタバタ劇
- 【9】知床の世界自然遺産登録
- 【10】ラムサール湿地登録
- 【11】小田急訴訟
- 東京都世田谷区の小田急線複々線化に伴う高架化事業をめぐり、周辺住民40人が、都市計画法に基づく国の事業認可取り消しを求めた訴訟。最高裁判例は、小田急訴訟のような公共工事の事業認可を巡る訴訟では、原告適格は「事業地内の地権者に限られる」と厳しく限定してきたが、今年4月に施行された改正行政事件訴訟法で、原告適格の範囲を拡大する趣旨の規定などが新設された。これは、過去の解釈を改め「事業の実施により騒音、振動等による著しい健康・環境被害を直接的に受けるおそれのある者」にまで原告適格を広げたもので、同訴訟の最高裁判決では、全員の原告適格を否定した二審・東京高裁判決を覆して、37人について認めている。
- 【12】愛知万博
- 【13】LOHAS
- 【14】コウノトリ放鳥
- 【15】容器包装リサイクル法の見直しとレジ袋有料化
- 【16】地方環境事務所
- 【17】日本の人口(推計)
- 【18】超長期ビジョンの必要性
- 【19】私説・環境庁30年史
- 【20】「あさってで61歳」
- 脱稿時。12/27に無事61歳の誕生日を迎えることとなった。
この記事についてのご意見・ご感想をお寄せ下さい。今後の参考にさせていただきます。
なお、いただいたご意見は、氏名等を特定しない形で抜粋・紹介する場合もあります。あらかじめご了承下さい。
(平成17年12月25日執筆、平成17年末編集了)
★本講の見解は環境省、EICの公的見解とはまったく関係ありません。
※掲載記事の内容や意見等はすべて執筆者個人に属し、EICネットまたは一般財団法人環境イノベーション情報機構の公式見解を示すものではありません。