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H教授の環境行政時評環境庁(当時)の職員から大学教授へと華麗な転身を果たしたH教授が、環境にかかわる内外のタイムリーなできごとを環境行政マンとして過ごしてきた経験に即して解説します。

No.030

Issued: 2005.07.07

第30講 リサイクル戦線、浪高し

目次
空梅雨と渇水
30講を迎えて
レジ袋有料化談義
容器リ法見直し
ペットボトルの中国流出
家電リ法とEU家電リサイクル義務化
産廃不法投棄発覚
国立環境研究所公開シンポ2005
温暖化対策最前線とデ・カップリング

空梅雨と渇水

Aさんセンセイ、入梅したってのに一向に雨が降らないですね。このままだと渇水騒ぎが起きるんじゃないですか。

H教授うん。ところで日本の平均降水量は1,500ミリを越している。これは世界平均の約2倍で、水の豊かな国だ。そこで問題。にもかかわらず渇水騒ぎが起きるのはなぜか。

Aさん森林破壊、それに川岸をコンクリートで固めたこと...ですか?


H教授ブー! キミ、こんなのは中学生だってわかるぞ。

Aさんはあ?

H教授平均降水量は世界の2倍だとしても、人口密度は世界平均の10倍だから、一人当たりにしたら世界平均の5分の1にしか過ぎない。おまけに降雨の季節変動が大きく、しかも急峻な地形だから降った雨の半分は洪水として海に流れてしまう。
だから、江戸時代から利水・治水は藩政の要とされてきたんだ。

Aさんあ、そうか。しかも江戸時代よりも人口は数倍以上増えたうえに、戦後の都市化の流れで、人口が特定地域に集中したからですね。

H教授うん、しかも高度経済成長の結果、水の使用量は増えた。われわれのライフスタイルにしたって洗車だ、内風呂だ、水洗トイレだ、洗濯だ、朝シャンだってね。
だから水資源開発ということで、至る所でダムを造り、自然と生態系を破壊してきたんだ。
でもこれからは水資源開発よりも人口分散、そして社会を節水型に変えることだね。雨水利用を図り、透水性舗装にして地下水を涵養する。そうすればヒートアイランド対策にもなる。キミも朝シャンなんてやめたまえ。

Aさんじゃあ、センセイも洗車はやめて...。──あ、そうか、センセイはもともと洗車はしてないんですね。

H教授うん、この9年間一度もしたことがない。

Aさんちょっとそれも行き過ぎなような...。


30講を迎えて

H教授ところで今回は30講、2年半になるんだなあ。よく続いたよ。

Aさんそうですねえ。これもひとえに読者のおかげですね。
でもセンセイ、もうネタ切れ、息切れじゃないですか。お歳もお歳だし。

H教授トシ、トシというな、ここは田舎だ。

Aさんヒュー(サブイという意味らしい)。
30回記念ということで、なにをしゃべってきたか、それが今どうなったか、読者の反応はどうだったか、という話でいきませんか。

H教授なるほどなあ、でもそれも結構面倒くさそうだぜ。それは次回にして、今回はいつもどおり最近の時評といこう。

Aさんはいはい。ね、ね、その前に、30講記念に本として出版してくれるという話はないんですか。そんな投書も何通かあったじゃないですか。

H教授(寂しそうに)EICは出版社じゃないし、出してくれるところもないみたいだ。ま、考えてみりゃ、ネット上で読めば無料だし、出てきた専門用語もすぐにリンクして参照できるというのが取り柄なんだから、当たり前かもしれないなあ。

Aさんなーんだ。印税でお洒落しようかと思ったのに。

H教授ムダ、ムダ。

Aさんな、なんですって!

H教授いやいや、キミはお洒落しなくてもキレイだっていう意味だ。

Aさんそうですねえ。アタシもこの2年半で成人して、少女から水もしたたるいいオンナに成長したし、大学院にも入ったし、一方、センセイは還暦を迎えて歯が抜けて、糖尿になって、膝がいかれて...。

H教授いい加減にしろ! 心にもないお世辞を言えば調子に乗って。キミだって随分とシミや小皺が目立ってきたぞ。


Aさんな、なんですってー!!

H教授人を呪わば穴二つ。ネオコンとイスラム過激派みたいなもんだ。

Aさんはあ? またわけのわからないことを。

H教授さ、さっさとはじめよう。前講以降、話題になったことをあげてごらん。


レジ袋有料化談義

Aさん(渋々)前講で言った、レジ袋の有料化、いよいよ決まりそうですね。スーパー業界ではレジ袋有料化をきちんと法律で義務付けるべしとの意見を取りまとめた【1】し、それを受けて環境省も経済産業省もそれぞれの審議会が同じ方向を打ち出したそうじゃないですか。
でもどんな法律になるんですか。容器リ法(容器包装リサイクル法の略、以下同じ)【2】の改正ですか。

H教授容器リ法は、それ自体が商品にならない容器包装を対象としている。今まで無償配布していたから、レジ袋にも適用可能だったんだけど、一枚5円というふうに有料にしてしまうと一応は商品ということになってしまい、最後は一般廃棄物になってしまう。

Aさんなあるほど、じゃあ、レジ袋有料化法みたいなものを作るんですかねえ。

H教授マサカ、それこそ憲法違反になっちゃうよ。まあ、業界団体との協定を根拠付けるような法を考え出すとか、いろいろ知恵を絞るんだろうけど、立法段階で四苦八苦するんじゃないかな。お手並み拝見といったところかな。


容器リ法見直し

Aさんところで容器リ法って見直しが法文に規定されているんでしたよね?

H教授ああ、容器リ法は施行後10年で見直すって明記されていて、昨年辺りからいろんな議論をやっているらしいよ。

Aさん最大の論点はなんなんですか。

H教授容器リ法はもともと自治体の方から言い出したんだ。容器包装が一般廃棄物に占める割合は体積で半分ぐらいだし、ペットボトルなんてのは、空気を運ぶみたいなものだ。廃棄物処理経費の高騰に手を焼いた自治体はそんなものはメーカーが引き取って処理すべきだってね。
ま、いまでいうEPR(拡大生産者責任)を求めたんだね。

Aさんもっともじゃないですか。

H教授ところがメーカーや当時の通産省は真っ向から反対。これまでのように廃棄物処理法の対象なら自治体の責務になっているのに、そんなことになればメーカーサイドの負担は莫大なものになって結局は価格にはねかえって、値上げせざるを得なくなる。
バブルがはじけた不景気な時代に値上げなどすれば売れ行きが落ちるのは間違いない。景気回復が国是だというのにとんでもないという主張だ。
で、結局今のような姿に落ち着いたんだけど、結果的には自治体の負担は余計大きくなったんだ。

Aさんどうしてですか。

H教授自治体は分別収集して引き渡すまで保管しなければいけない。となると分別収集、選別、洗浄、保管といった経費がかかるし、ストックヤード、つまり保管場所も設けなければならないじゃないか。


Aさんなるほど、じゃあ、せめてその経費をメーカーサイドに出させろってことですか。

H教授うん、一方、メーカーサイドでは、自治体の負担が増えたというが、単位量当たりの回収等の費用は自治体ごとの差があまりにも大きいことを指摘している。自治体によっては数千倍の差があるから、多くの自治体は合理化などをまずするべきだって反論している。

Aさんそうなんですか?

H教授うーん、よくわからない。もちろん自治体ごとに事情は異なるんだけど、あまりにも差が大きすぎる。ひょっとしたら「回収等費用とは何か」の解釈が自治体ごとに違うんじゃないかな。

Aさんふうん、で、結論はどうなりそうなんですか。

H教授経産省のほうもある程度は仕方がないとみている節もあるから、ま、足して2で割るんだろうなあ。例えば回収・保管経費の何割かをメーカーサイドが負担するとか。いかにも日本的だけどね。


ペットボトルの中国流出

Aさん容器リ法の問題点は他にもあるんですか?

H教授今話題になっているのは、せっかく出来たペットボトルの国内リサイクルシステムが、危機に瀕していることだ。

Aさんどういうことですか。

H教授今、中国は急激な経済成長過程にあり、大量のペットボトルの需要がでてきた。そこで、日本の使用済みペットボトルが中国に輸出されているんだ。容器リ法の枠組みでできた国内のリサイクルメーカーより高値で引き取るから、せっかくの設備が遊休化するってわけだ。かといって赤字になるのがわかってるから、それ以上の高値で引き取るわけにはなかなかいかない。

Aさんだって、中国まで持っていけば輸送料だってかかるじゃないですか。

H教授結局のところリサイクルコストに占める人件費の差だろうね。輸送料込みでも中国では十分にやっていけるんだろう。

Aさんでもそれって、ごみの輸出じゃないですか。ごみの越境移動を規制するバーゼル条約との関係はどうなるんですか。

H教授ごみじゃないよ。立派な資源、つまり有価物として取引されてるんだから、バーゼル条約は関係ないだろう。

Aさんえ? じゃあ、自治体はペットボトルを回収して儲かっているんですか。

H教授自治体のペットボトルの回収・選別・保管等にかかる費用は莫大なものになる。それを少しでも高く売ることによって、わずかだけどその一部が返ってくる割合が増えるということだ。
容器リ法ではまったく想定していない事態が起きているんだね。


Aさんうーん、そのことはどう考えればいいんですか。

H教授新たな国際的枠組みを考えなきゃいけないってことだろう。ゴールデンウィークの頃、日本で開かれた「3Rイニシアティブ閣僚会合」【3】でも話題になったらしい。
でもそれ以前に考えなきゃいけないことがあると思う。

Aさんなんですか?

H教授容器リ法制定以降ペットボトルの回収量や回収率はどんどん増えてきているんだ。でも、それ以上にペットボトルの生産量が伸びていて、回収量との差は開いてきている。その一部が容器リ法の枠外で中国などに輸出されているんだろうけど、実質的にごみとなるペットボトルの量は減っていないんだ。
事実、ペットボトルは容器リ法制定以前には大きさや形状は業界の方で自主規制していたんだけど、制定以降は自由化され、生産量が大幅に伸びた。
つまり容器リ法はごみの減少や資源の保全に役立っているとは必ずしもいえない。大量生産・大量消費社会から適量生産・適量消費社会に移行させるものとしては機能していないんだ。
ペットボトルに関してはデポジット制度の導入と、リサイクルでなくて、食品衛生法の見直しなどによってリターナブルビンと同じように再使用、つまりリユースを可能にすることを考えるべきじゃないかな。
もちろん、衛生上のチェックは十分なものにしなきゃいけないけどね。


家電リ法とEU家電リサイクル義務化

Aさん家電リ法(家電リサイクル法)の方は見直しはしていないんですか。

H教授見直しは5年後だからもっと先の話だ。家電リ法は世界で最初にEPRを義務付けたと自慢の法律だけど、それはそれでいくつか問題があるって指摘を以前、したろう【4】
だけどEUでは、この夏から「WEEE(廃電気電子機器)指令」が実施され、ほぼすべての廃電化製品を対象にしてリサイクルが義務化されるみたいだ。
処理費用はすべてメーカーが持ち、専門のリサイクル業者に委託するそうだ。つまり処理費用は製品価格に含まれるんだ。
これで一気に日本は廃家電リサイクル後進国になるかもしれないから、見直しだって繰り上げられるかもな。だって、EUに輸出している日本の家電メーカーが対応できるんだったら、国内だってできないはずないもん。

Aさんそれって、ローズ指令と関係あるんですか。

H教授お、難しいこと知っているな。

Aさんだって「薔薇の指令」だなんて、なんとなくロマンチックじゃないですか。

H教授ばか、ローズはRoHS。「Restriction of the use of the certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment」の略。EUが来年夏から実施する電気電子機器の特定有害物質使用規制のことだよ。
六価クロム水銀カドミウムのほか、PBB(ポリ臭化ビフェニール)とPBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)という2種類の臭素系難燃剤の計6物質を、WEEE指令が適用される製品はもちろんのこと、もっと多くの電子、電化製品での使用を原則禁止しようとするものだ。
リサイクルとは直接の関係はないけど、EUの環境急進ぶりがよくわかるよね。
日本でも環境省はEUのRoHS指令の6物質について、家電製品に含まれる場合はその表示義務を課すという方針を固めたそうだ。業界や経産省が賛成するかどうかわからないけど。

Aさん日本はRoHS指令とは直接関係ないんですね。


H教授うん、EU域内の話だからな。
でもEUへの輸出メーカーはなんとしてもRoHS指令をクリアしなければならないし、クリアできれば国内でも環境にやさしい製品だって触れ込みで流通しはじめ、実質的には国内でも6物質フリーの製品が多数派になってしまうかもしれないし、そうなった場合は法的にも追随することになりかねない。
RoHS指令については日本ではコストパフォーマンスやリスク論の観点からは過剰規制だという批判が強く、ぼくもそうかなと思わないでもないんだけど、EUが経済より環境という姿勢を強く打ち出しているところは見事だと思うよ。

AさんでもEU憲法に対して各国で反対票が賛成を上回ってます。EUの求心力は弱まってEU統合は足踏み状態なんじゃないんですか。

H教授そりゃ、そう簡単にはいかないよ。英独仏なんてのは昔から戦争ばかりしていたんだし、そうした国民意識はそう簡単には変わらないと思うな。だから今は揺り戻しの時期なんだろうけど、長い眼で見ればEU統合は進むだろうし、環境面では世界のリーダーシップをとり続けようとすると思うよ。


産廃不法投棄発覚

Aさんところで、廃棄物関係では先日、三重県で国内最大の産廃不法投棄が発覚したって新聞に出てました。

H教授うん、豊島や青森・岩手県境、茨城、岐阜などで大規模な不法投棄が発覚しているけど、今度のは100万立方メートルを越すという話だ。
いずれの例でも共通なのは、闇夜に無許可業者がやったことでなく、ちゃんとした許可を取っている業者が許可量や許可区域、許可内容を大幅に超えて投棄していたということだ。このことは少々、というか中々程度のオーバーはどこでもやっているということかもしれないし、だとすれば、このことは氷山の一角かもしれない。
最終処分場の逼迫が大きな問題になったのは'90年前後からで、残余年数があと数年だと騒がれ、それが'91年の廃棄物処理法大改正につながったんだけど、実はその頃から今日まで、残余年数は増えているんだ。
それは単純に最終処分場探しや延命策が辛うじて功を奏したと思ってたんだけど、実はこういう不法投棄という抜け道で支えられてきたんじゃないかとさえ思っちゃうね。

Aさんごみの話はその程度にして、他には何かありましたか?


国立環境研究所公開シンポ2005

H教授昨日(6月25日)、「国立環境研究所公開シンポジウム2005」【5】が京都で開催されたので行ってきたんだけど、立錐の余地のないほど超満員の盛況だったよ。

Aさん主たるテーマはなんだったんですか。

H教授温暖化の科学、温暖化を防ぐ社会のありかた、循環型社会に向けた技術とライフスタイル、それに化学物質の安全性問題。それの最前線の研究成果をできるだけわかりやすく市民に伝えようという意気込みが感じられた。

Aさんじゃあ、この時評と基本的にテーマは同じなんだ。かたや一流の研究者、かたや三流役人上がりのキョージュという違いだけで。
あ、そうか時評のネタ探しに行ったんですね。

H教授超満員だったけど、キミのような減らず口しか叩けない四流院生がいなかったことだけは確かだった。


温暖化対策最前線とデ・カップリング

Aさんやぶへびだったか。ところで京都議定書が2月に発効しましたけど、その後なにか大きな変化は起きてますか?

H教授クールビズ【6】がはじまった。ノーネクタイの軽装運動だ。

Aさんなんか昔も似たようなことをやっていませんでしたか?

H教授昔、省エネルックとかいって政府が音頭をとって、半袖のスーツを流行らせようとしたことがあった。歴史は繰り返すだね。

Aさん“一度目は悲劇として、二度目は茶番劇として”って言いたいんでしょう。

H教授ふふ、同じネタは使わないよ【7】

Aさん官製の運動以外になんかないんですか。

H教授温暖化対策法に基づく「京都議定書目標達成計画」【8】がゴールデンウィークの頃に閣議決定されたし、温暖化対策法が先日改正された。

Aさん内容的には?

H教授達成計画では削減目標の主要部門別割り当てが定められたけど、担保はなんにもない。言っちゃわるいけど、数字合わせの域を出ていない。
あと法改正で、大工場などの大発生源には温室効果ガス排出量の報告が義務付けられ、公表もされることになった。これはいいことだと思うよ。
自主努力で大幅な削減競争がはじまればいいんだけど、それが無理でも国内で排出量取引制度を設けるときの基礎データになるしね。

Aさん環境税(炭素税)はどうなるんですか。

H教授あまり進展はないみたいだな。

Aさんうーん、どうなるんですかねえ。

H教授さあなあ、とにかく日本は現状からスタートしてものごとを考える。未来から現在を照射して現状を抜本的に変えるという発想がないんだよね。
一方じゃ、日本の未来の世代への借金はついに1,000兆円を越したそうだ。日本の個人資産の総計は1,400兆円あるそうだけど、数年のうちに借金が個人資産を越してしまうのは確実だ。
だからこそ改革が必要なんだけど、それは今盛んに言われている改革とは似て非なるものだということだけは確かだな。

Aさん笑うペシミストはいいですから、早く本題に戻りましょう。

H教授わかった、わかった。この図をみてごらん。院に行っているゼミの卒業生に作ってもらったものだけど、日本とドイツの73年からのGDPと一次エネルギー消費量とCO2排出量の推移を73年を100として図示したものだ。
日本では一貫してエネルギー消費量が増え73年の5割増しになってるし、それに伴いCO2排出量も増えている。これが「三つのEのトリレンマ」だね。つまりEconomy, Energy, Environment の両立ならぬ三立は難しいということだ。
ところがドイツではエネルギー消費量は横這いで、CO2排出量は減少傾向にある。つまり「三つのEのトリレンマ」は解消する兆しが見え始めている。
イギリスもドイツと似たような傾向で、アメリカは日本とよく似ている。
いつかアメリカは先進国でなく巨大な途上国だと言ったけど【9】、日本もそうじゃないかと思っちゃうよ。

グラフ:GDPと一次エネルギー消費量とCO2排出量の推移(日本)

グラフ:GDPと一次エネルギー消費量とCO2排出量の推移(ドイツ)

Aさんどういうことですか。

H教授これは国連大学の安井先生の受け売りなんだけど、豊かになる途中まで汚染物質、例えば二酸化硫黄(SO2の排出量はGDPと同じように増えていくものの、あるところからはGDPとは逆に二酸化硫黄の排出量はどんどん減っていく。これをデ・カップリングといい、日本でも昭和40年代に起こったことだ【10】
さらに豊かになると、あるところからGDPとエネルギー消費の関係もデ・カップリングがはじまらなきゃいけないし、ドイツやイギリス、北欧諸国ではこの図のようにその兆しが見えているんだけど、日本やアメリカにはその兆しがまだ見られない。
エネルギーの中長期需要の予測でも、人口が減るというのに、日本はまだ増えるとしている。確かに日本は資源生産性では世界一の省エネ大国には違いないけど、物質的欲望はとどまるところをしらない。
これじゃあ、途上国と言われても仕方ないよ。政治の世界もだ。最近、つまらないことが多すぎる。そもそも...。

Aさんセ、センセイ、抑えて、抑えて。だんだん環境から離れるじゃないですか。

H教授ま、いずれにせよこれからはキミの出番だね。

Aさんえ? どうして? ね、どうして?

H教授キミはデ・カップリング、つまり「別れ」のプロじゃないか。

Aさんヒ、ヒッドオイ! 恋多きオンナと言ってくださいよ!!


注釈

【1】レジ袋の法制度化談義
【2】日本チェーンストア協会の要望
【3】3Rイニシアティブ閣僚会合
【4】家電リサイクル法の問題点
【5】国立環境研究所公開シンポジウム2005
【6】クールビズ
【7】歴史は繰り返す、一度目は悲劇、二度目は茶番劇として...。(マルクスの『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』より)
【8】京都議定書目標達成計画
気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書の締結及び地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律について 法改正の要点
中央環境審議会地球環境部会(第27回会合)資料より
京都議定書目標達成計画に盛り込まれることが想定される対策一覧<暫定>
京都議定書目標達成計画に盛り込まれることが想定されている対策・施策<暫定版>(エネルギー起源CO2について記述)
【9】アメリカは先進国でなく巨大な途上国
【10】デカップリング指標について
デカップリング(decoupling)とは、「分離」を意味する英語で、ここでは経済成長と環境悪化の分離、すなわち経済の成長が環境の悪化を引き起こす直接的な要因として結びついていない状態を指す。より厳格には、一定期間において「(環境圧力の増加率)<(経済推進力の伸び率)」が成り立つとき、デカップリングが実現していると定義される。OECDでは、2002年4月にデカップリング指標に関する報告書を取りまとめ、同年5月に公表している。一方、日本では、2003年に策定された循環型社会形成推進基本計画において、「資源生産性(=GDP/天然資源等投入量)」という指標を提案している。

(平成17年6月26日執筆、7月6日編集了)
註:本講の見解はEICおよび環境省の公的見解とはまったく関係ありません。