冷暖房にまつわるエコライフ(5)
冷暖房器具とエネルギーセービングな関係
捨てるときまでいいお付き合い
家電リサイクル法が施行されて、対象家電製品(冷蔵庫、テレビ、エアコン、洗濯機)を処分する際には、消費者がリサイクル費用などを負担する義務が生じるようになりました。
エアコンや冷蔵庫の場合、ごみ削減や省資源・省エネルギーという以外に、冷媒として使われているフロン類の処理が大きな課題となっています。
私たちにも、使い終わった後の処分に責任を持つことが求められます。
エアコンの冷媒として使われてきたフロン(CFC)は、オゾン層破壊の原因物質として、1989年に発効したモントリオール議定書に基づいて、先進国では1995年末、途上国でも2010年に全廃となっています。しかし、それ以前に作られた古い機種にはフロンが入っていますので、回収・破壊が必要となります。
一方、フロンのかわりに使われるようになった代替フロン(HCFCやHFCなど)にもオゾンを破壊するものがあり、HCFCは先進国で2020年までに全廃、途上国でも2040年の全廃が規定されています。
また、これまで規制対象になっていなかったHFCも2017年の改正で規制対象として段階的な削減が規定され、先進国では2036年までに85%削減(2011-2013年の生産・消費量等を基準)、途上国でも2047年までに85%削減(2024-2026年基準)などの削減スケジュールが合意されています。
フロン類使用機器別のHFC排出量は、2012年の実績で、家庭用・業務用を含む空調設備が58.2%と過半数を占めます(家庭用エアコンは18.1%)。
エアコンの冷媒に使われる代替フロンの温室効果は、それぞれCO2と較べて、HCFC22が1810倍、HCF410aが2090倍と非常に高い値を示します。
つまり、エアコン1台が適正処分されないことで、クールビズやウォームビズで一生懸命取り組んだ省エネやCO2削減お効果が相殺されてしまうことになるのです!
逆にいえば、適正処分をすることで、大きな効果を期待できるともいえます。