冷暖房にまつわるエコライフ(4)
冷暖房器具とエネルギーセービングな関係
カジュアルスタイルのススメ
夏の冷房や冬の暖房の設定温度を調整する取り組みが、ずいぶん浸透してきました。
ビシッと決めたスーツに身を包み、颯爽と働くビジネスマンのカッコウよさとは対称的に、オフィスの中も外も、夏は暑さも冬の寒さも厳しさを増すようです。今や、ワークホリックな“戦うビジネスマン&キャリアウーマン”の時代から、環境も私生活も大事に省みるバランスのとれた生活人の時代へとシフトしつつあります。
そんな時代に合った、季節に応じた暑さ・寒さに適応するカジュアルなスタイルが見直されています。
環境省では、家庭や職場の室内温度を「夏は28℃・冬は20℃に!」と呼びかけ、過度な冷暖房に頼らない生活を求めると同時に、そんな室内環境で快適に過ごすための提案や取り組みを「COOL BIZ(クールビズ)」及び「WARM BIZ(ウォームビズ)」キャンペーンとして、平成17年度より展開しています。
「28℃」という数値はあくまで目安。必ず「28℃」でなければいけないということではなく、冷房時の外気温や湿度、「西日が入る」などの立地や空調施設の種類などの建物の状況、室内にいる方の体調等を考慮しながら、無理のない範囲で冷やし過ぎない室温管理の取り組みの目安として掲げるものです。冷房の設定温度を28℃にしても、室内は必ずしも28℃になるわけではありません。その場合、設定温度を下げることも考えられます。
クールビズの実施率は、企業などの業務では2013年度に71.3%、家庭では77%にまで達しています。2016年に発効した地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」では、世界の平均気温上昇を2℃未満にすることなどが打ち出され、日本は2030年度に温室効果ガス排出量を2013年度比で26%削減する目標を掲げています。目標達成に向けて2016年5月に閣議決定した地球温暖化対策計画では、2030年度に実施率100%をめざしています。これによる排出削減量は、クールビズ(業務部門)で14.5万t-CO2、同家庭部門で15万t-CO2、ウォームビズ(業務部門)11.6万t-CO2、同家庭部門で29.1万t-CO2を見込んでいます。
なお、年間の暖房日数の方が冷房日数よりも多く、また気温と室温との差が大きい日本では、冷暖房兼用エアコン1台当たりの省エネ効果は、暖房の設定温度を下げる方が、冷房の設定温度を上げるよりも効果的です。
※2013年度の全電源平均の電力排出係数は0.57kg-CO2/kWh、
2030年度の全電源平均の電力排出係数は0.37kg-CO2/kWh、
燃料の排出係数は2.26t-CO2/kL
クールビズ・ウォームビズの実施徹底の促進による省エネ量は、2012年dからの対策の進捗による省エネ量、排出削減量は当該省エネ用に基づいて計算しています。