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【コラム】代替フロンなら地球にやさしいの?

地球を暖める代替フロン

オゾン層を保護するための国際的な取り決めであるモントリオール議定書に基づいて、オゾン層を破壊するフロン類の製造が禁止されてきています。これら特定のフロン(CFC)の代わりに開発されたのが、フロンと同等の性質を持ち、かつオゾン層の破壊能が低い/またはまったくない、いわゆる代替フロン(HCFCやHFCなど)です。1995年末に生産全廃となったフロンから、急速に切り替わっています。
こうした対策の結果、1990年頃まで増加傾向にあった特定フロンの下層大気中濃度は北半球中緯度では減少に転じてきているとの報告もあります。

一方、フロンはオゾン層破壊の原因物質であると同時に、地球温暖化の原因となる温室効果ガスであることもわかっています。しかも、地球を暖める効果は二酸化炭素の数百〜1万倍以上もある、強力な温室効果ガスなのです。

CO2とHFCの温暖化係数の違い(CO2を1としたとき、HFCは数百から一万程度)

代表的な代替フロンの一つである、ハイドロフルオロカーボン(HFC)は、オゾン層を破壊することはないという意味で「環境配慮型」と称されてきましたが、強力な温室効果ガスとしての性質を有し、気候変動防止のための国際的な取り決めである京都議定書の削減対象ガスであると同時に、2017年10月に改正されたモントリオール議定書でも規制対象に追加され、段階的な削減スケジュールが合意されています。私たちの身近なところでは、冷蔵庫、エアコン等の冷媒に使われるほか、ほこりを吹き飛ばすダストスプレーや発泡剤などにも使われています。

これらのHFCを大気中に放出させないためには、HFCが封入されたスプレーは購入しない、冷媒にHFCが封入されている家電製品は適正な処理を行う業者に引き取ってもらうなどの取り組みが必要です。

モントリオール議定書で規制対象となったフロン類や代替フロンは削減に向けた合意が採択されています。特フロンについてはすでに生産が禁止されていますが、現在使用中の製品の中に使われているものもあり、その回収・破壊が課題となっています。代替フロンも温室効果が高く、規制対象物質はその生産・消費の段階的廃絶、貿易規制、生産・輸出入量に関する定期報告等が義務付けられています。

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