冷蔵庫にまつわるエコライフ(4)
冷蔵庫とエネルギーセービングな関係
捨てるときまでいいお付き合い
家電リサイクル法が施行されて、対象家電製品(冷蔵庫、テレビ、エアコン、洗濯機)を処分する際には、消費者がリサイクル費用などを負担する義務が生じるようになりました。
電気冷蔵庫の場合、
ごみ削減や省資源・省エネルギーという以外に、冷媒として使われているフロン類の処理が大きな課題になっています。
私たちにも、使い終わった後の処分に責任を持つことが求められます。
電気冷蔵庫の冷媒として使われてきたフロン(CFC)は、オゾン層破壊の原因物質として、1989年に発効したモントリオール議定書に基づいて、先進国では1995年末、途上国でも2010年に全廃となっています。しかし、それ以前に作られた古い機種にはフロンが入っていますので、回収・破壊が必要となります。
一方、フロンのかわりに使われるようになった代替フロン(HCFCやHFCなど)にもオゾンを破壊するものがあります。HCFCは先進国で2020年までに全廃、途上国でも2040年の全廃が規定されています。これまで規制対象になっていなかったHFCも2017年の改正で規制対象として段階的な削減が規定され、先進国では2036年までに85%削減(2011-2013年の生産・消費量等を基準)、途上国でも2047年までに85%削減(2024-2026年基準)などの削減スケジュールが合意されています。
モントリオール議定書による先進国のフロン類規制が進んだ結果、世界におけるフロン類の生産・消費量が減少し、温室効果を持つ代替フロンの規制【1】も進んできています。
欧州では、フロンも代替フロンも使わない、炭化水素系の冷媒を使った冷蔵庫が環境配慮製品として早いタイミングで普及してきました。一方、日本では冷媒充填量が多く、多湿な風土のため自動霜取機能がついた冷気強制循環方式が普及していたため、可燃性のノンフロン冷媒の適用に安全性確保のための固有技術の確立が必要でした。業界の自主基準策定などが進み、2000年代初めからノンフロン冷蔵庫が発売されるようになり、今では主流になっています。