一般財団法人環境イノベーション情報機構
ボン条約、食肉用の野生動物の捕獲が陸生移動性種の脅威となると発表
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2021.10.04 【情報源】国際機関/2021.09.15 発表
ボン条約(移動性野生動物種の保全に関する条約、CMS)は、食肉用としての野生動物の捕獲が、合法・違法を問わず狩猟の主な目的になっており、CMSで保護されている陸生移動性種への大きな脅威となるとする報告書を発表した。報告書によれば、調査対象の105種のうち67種が捕獲され、そのうち47種は食肉用に使用されたという。野生動物の食肉は、地方社会の重要な栄養源である一方、都市化による都市人口の増加に伴い贅沢品としての需要が増加。これによって持続不可能な取引が加速し、野生動物への圧力となり、さらには野生動物に頼る地方社会の食物供給を脅かすことになる。また野生動物の捕獲に関して、これまで国際取引が注目されてきたが、実際には国内での取引や直接利用が多いことも分かった。今後は・必要に応じた国内の狩猟法や規制の見直し・更新
・モニタリングや執行能力の分析
・種の狩猟取引量や個体数に関する比較データ・統計データの収集
・国境を越えて移動する移動性種のためのさらなる国際協力
などの対策が必要となる。
【ボン条約】