一般財団法人環境イノベーション情報機構
気候変動適応グローバル委員会、2020年に地域レベルの気候変動適応行動を加速
【地球環境 国際環境協力】 【掲載日】2020.02.06 【情報源】研究機関/2020.01.21 発表
世界資源研究所(WRI)は、気候変動適応グローバル委員会が、地域主導の気候変動適応取組を加速するためのアクショントラックに着手したと発表した。このアクショントラックは、2019年9月発表の気候変動適応策の早急な実施を要請する報告書で委員会が示した8つの課題別アクショントラックのうちの一つ。適応策の実施が緊急の課題である脆弱な地域において、地域住民に地元の知識に基づく効果的な適応策を作出する能力があるにもかかわらず、現状では、地域レベルの気候取組に約束された資金の10%しか地域に届いておらず、計画策定プロセスには地域社会の参加が織り込まれていないという。委員会は、2020年、国際援助団体等から5億ドルを結集して地域が主導する気候適応取組を支援し、そのための政策的な仕組も前進させる。また、資金のトラッキングと、実施された適応策のモニタリングと評価のためのツールを開発する。報告書は、2020年から2030年の間に早期警告システムやマングローブ林保護など5種の適応策に1兆8000億ドルの投資が行われた場合、得られる純便益は7兆1000億ドルと試算し、適応策への投資は、経済、環境、社会に大きな利益をもたらすと述べている。【世界資源研究所】