一般財団法人環境イノベーション情報機構
生活炭素基金、セネガルのマングローブ林再生プロジェクトは10年で大きな成果と発表
【自然環境 その他(自然環境)】 【掲載日】2019.05.14 【情報源】国際機関/2019.04.23 発表
ラムサール条約は、セネガルで2009年に始まった世界最大規模のマングローブ林再生プロジェクトが、10年間に環境と社会の両面で多大な成果を上げたと発表した。地元NGOの主導で始まったプロジェクトは、企業や地域住民、企業、公共部門、NGOが参加する新たな取組(生活炭素基金、LCF)に発展し、マングローブ林の生態系に頼る地元住民の生活の持続的改善と、LCFに資金を提供する参加企業10社のCO2排出のオフセットを目的に続けられた。ラムサール条約や国際自然保護連合(IUCN)などもパートナーとして参加している。プロジェクトで植えたマングローブ林の炭素貯蔵は、20年のプロジェクト期間で予想されていた60万トン(CO2)のうち16万トン以上をすでに達成した。生物多様性の増加とともに魚や牡蠣、エビなどの漁獲量も年間4200トン以上増加し、住民の食料の安定確保と収入増につながっている。報告ではこの他に、塩水の浸入を防ぐマングローブによって稲の収穫が可能になったこと、地域の結束が強まったことなども指摘している。【ラムサール条約】