一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界気象機関、国連食糧農業機関と気候変動および干ばつ対策で協力
【地球環境 国際環境協力】 【掲載日】2017.07.04 【情報源】国連/2017.06.19 発表
世界気象機関(WMO)と国連食糧農業機関(FAO)は、干ばつの事前対策推進のためローマで開かれた国際セミナーで、気候の変動性や気候変動への対処で協力を強化する覚書に署名した。両機関は、気候問題が人間社会や自然生態系、食料安全保障に対する緊急かつ回復困難な脅威だとして、これまでの連携を強化し、農業気象サービスの充実や農家・漁業者への情報提供の向上、干ばつなど影響の大きい事象に対する早期警報や対応に向けた地球規模および地域固有のモニタリングの改善等で協力する。気候の変動とともに干ばつの頻度が増加し、1970年代以降その影響を受けている土地面積が倍増。飢えや不安定な状況を招くだけでなく、年間最大80億ドルもの経済損失をもたらしている。農業が主要産業である途上国、特にアフリカではその影響が深刻で、2011年にソマリアを襲った干ばつでは25万人以上が餓死。2005〜2016年に発生した84回の干ばつでアフリカ34カ国が影響を受けたという。
FAOのシルバ事務局長は、発生した干ばつに対する緊急支援も重要だが、干ばつに対する事前対策と回復力構築への投資が不可欠と指摘した。【世界気象機関】