一般財団法人環境イノベーション情報機構
東京都、民有林購入モデル事業で初めて山林を購入、水道水源林として適正に管理
【水・土壌環境 その他(水・土壌環境)】 【掲載日】2013.03.12 【情報源】地方自治体/2013.03.07 発表
東京都水道局は、都の水源地域の森林保全を目的にした民有林購入モデル事業で、初めて山林を購入した。今後、手入れが行き届いていなかった山林で間伐や枝打ちなどを行い、同局が自ら水道水源林として適正に管理し、土砂の流出を防ぐとともに多量の水が蓄えられる健康で緑豊かな森林に育成する。民有林購入モデル事業は、都の水がめになっている小河内貯水池(奥多摩湖)などの保全を狙いに、林業の不振などから手入れができなくなり、所有者が手放す考えを持っている多摩川上流域の民有林を対象に実施。試験的に山林を購入する仕組みとなる。2012年度に地域を拡大するなど要件を緩和した。
奥多摩町の多摩川と日原川との合流点より上流域を対象地域に、5年以上保有している5ha以上のまとまった人工林を含む山林か、同1ha以上5ha未満のまとまった人工林を含む水道水源地に接している山林を公募。その結果、今回奥多摩町と山梨県小菅村の1件ずつ計2件、約36haを約4400万円で購入した。
多摩川上流域には約4万5000haの森林があり、うち約2万2000haは水道局が継続的に管理して緑が豊富な水道水源林になっている一方、民有林では荒廃の進んだ森林が増えているという。同局は購入した山林の整備を進めて健全な森にすると同時に、購入モデル事業を積極的に展開して民有林の購入を進める。【東京都】