【コラム】自然エネルギーって何?
使ってみよう自然エネルギー
自然エネルギーとは、太陽光や熱、風力、潮力、地熱など自然現象から得られるエネルギーです。石油や石炭などのいわゆる化石燃料が枯渇性の不安を抱えるのに対して、主に太陽が照りつづける限り枯渇の心配がないことから、「再生可能エネルギー」ともいわれます。
また、化石燃料を使うと二酸化炭素や、窒素・硫黄酸化物などを排出するため、環境汚染につながるのに比べてよりクリーンなエネルギー資源ともみなされています。
一方で、エネルギー密度が低く、利用しづらいという欠点もあります
ドイツをはじめとしたヨーロッパ諸国では、発電電力量のうち30〜40%を再エネが占める国もめずらしくはありません。そのヨーロッパで、再エネの主力となっているのが風力発電です。
一方、日本では、2030年のエネルギーの姿を示した「エネルギーミックス」で、「電源構成」(電力を発電する方法の組み合わせ)のうち1.7%程度を風力発電とすることをめざしていますが、2017年3月時点で、太陽光発電が2030年見通しの約61%まで導入が進んでいるのに対して、風力発電は約34%にとどまります。
GWECによる国別の風力発電設備容量は2017年の統計で、世界1位が中国の18.8万MW(世界比率で34.9%)、次いで2位のアメリカが8.9万MW(16.5%)、3位のドイツが5.6万MW(10.4%)、4位のインドが3.2万MW(6.1%)と続き、日本は世界第19位の3,400MW(0.6%)に過ぎません。
ただ、日本も風力発電ポテンシャル(最大導入可能量)では諸外国にも引けを取りません。環境省の試算では、国内の風力発電のポテンシャルは170万MW(陸上風力約30万MW、洋上風力約140万MW)と報告しています。
一方、大型の商業用風力発電だけでなく、家庭の屋根やベランダに取り付ける小型の風力発電機も見られます。
家庭用の小型風力発電機では、売電したり、家庭の電力すべてをまかない切るのは困難ですが、玄関や庭の電灯、池のポンプに利用するなど、身近な生活の中で手軽にエネルギーを生み出す体験ができると注目されています。
この他、屋根に温水装置や太陽光発電パネルを取りつけて熱エネルギーや電力に変換して、自然エネルギーを利用することも普及が進んでいます。再生可能エネルギーの設備導入には、行政による設置補助などもありますので、お近くの役所・役場などに問い合わせてみてください。