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アニマルライツ 環境用語

作成日 | 2003.09.10  更新日 | 2019.06.27

アニマルライツ

アニマルライツ   【英】Animal Rights  [同義]動物の権利 

解説

動物の権利」と訳され、それを擁護する思想あるいは運動を指すことが多い。本来は動物にどのような道徳的配慮をすべきかという思想的・哲学的な倫理問題。1980年代から活発に論議されるようになった。

さまざまな立場があり、トム・リーガンに代表される「感覚を持った哺乳類」を権利を持つ主体と考えるもの、一般的な人道主義に近い立場や、感覚を持つすべての動物を権利の保持者と見なし「倫理的世界を拡大するための遠大な倫理革命の一部」と捉えるピーター・シンガーの「動物解放論」などの立場がある。これらの議論を、人間の利益のために動物の権利を支持する「人間中心主義」と、人間の利益とは無関係に動物に本来備わっている価値を重視する「生命中心主義」とに分類して整理する見方もある。

自然の権利」と同一視されることがあるが、「自然の権利」が野生生物種や自然物、生態系を対象とし、それを人間が代弁できるとするのに対して、「動物の権利」は飼育動物を中心とした個体の福祉を念頭に置き、個体の権利を主張する点で違いがある。ただし、「動物の権利」は社会的にさまざまな意味と意図で使われており、共通認識はまだできていない。

近年では、ペット、動物園の展示動物、実験動物や家畜などの飼育動物に対して、苦痛などを与えず、ストレスを少なくする動物福祉(アニマルウェルフェア)の考え方も強調されるようになってきた。(2019年5月改訂)

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