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環境ニュース[海外]

環保総局が2006年上半期と第3四半期の中国環境質状況を公表

環境行政 行政資料】 【掲載日】2007.05.29 【情報源】中国/2006.11.21 発表

 先日、国家環保総局は2006年上半期と第3四半期の中国環境質・主要汚染物の排出状況を公表した。モニタリング分析の結果によると、去年の同時期と比べ、今年上半期と第3四半期の中国環境質状況には大きな変化はないが、局地的な汚染が進み、工業企業の主要汚染物排出量は増大した。
 重点都市大気中の主要汚染物は浮遊粒子状物質である。主要汚染物が二酸化硫黄二酸化窒素である汚染の回数は少ないが、主要汚染物が浮遊粒子状物質である混合型汚染が深刻である。
 酸性雨の地域分布にあまり変動はないが、局地的に深刻な状況にある。全国で酸性雨が主に集中する地域は長江南部、四川、雲南以東で、中でも浙江、江西、湖南、福建、広西、重慶および長江、珠江デルタ地区が特に深刻である。酸性雨の影響を受ける都市の割合は若干増加した。
 酸性雨汚染は未だ有効に抑制されていない。特に浙江省の酸性雨汚染は広く、モニタリング対象の全都市で酸性雨が観測され、降雨の際は毎回酸性雨が観測される。
 今年上半期の中国主要汚染物の排出状況を見ると、工業廃水排出量は120.4億t、前年同期比2.4%増、COD排出量は689.6万t、前年同期比3.7%増、二酸化硫黄排出量1274.6万t、前年同期比4.2%増であった。上半期の工業汚染物排出量が増加した原因は、GDP急増によるCOD二酸化硫黄の排出量急増のためである。
 今年上半期の中国GDPの伸びは10.9%で、原炭生産量は前年比12.8%増、工業廃水排出量は3.5%増であった。工業CODと工業SO2の排出強度はそれぞれ0.0066t/万元(工業生産額)と0.0273t/万元(工業生産額)で、前年同期比6.1%、10.8%の減である。しかし上半期の工業生産額は13.2%増であるため、COD二酸化硫黄などの主要汚染物排出量は依然増加傾向にある。
 構造的汚染は依然際立っている。上半期COD排出量の増加が大きいのは食品加工業、製紙業、化学原料・化学製品加工業、紡績工業、化学繊維加工業の5産業である。これら5産業の工業COD排出量は全体の67.0%を占め、その増加量は重点調査企業のCOD排出総増加量の82.3%を占める。
 二酸化硫黄排出量の増加が際立っているのは電力、スチーム、熱水の生産・供給産業、金属冶金・圧延加工業、非金属鉱物製造業、食品加工業、化学原料・化学製品加工業の5産業である。これら5産業の二酸化硫黄排出量は全体の84.4%を占め、その増加量は重点調査企業の二酸化硫黄排出総増加量の104%を占める。
 建設プロジェクトの操業開始数は前年同期より増加しているが、付随の汚染処理施設の建設は遅れている。国家批准建設プロジェクトの環境設備竣工検収モニタリング事業数は前年同期より57件増加し、新たに増加した二酸化硫黄排出量は19.2万t/年で、前年同期より12.7万t/年増加した。新たに増加したCOD排出量は1.15万t/年で、前年同期より4896t/年増加した。05年新たに操業開始した石炭燃焼ユニットは5500万kW分だが、脱硫設備を同時に設置したのはその40%ほどである。今年上半期に新たに資金投入した石炭燃焼ユニットは3200万kW分で、脱硫設備を同時に設置したのはわずか半分である。
 他の産業でも違法建設問題が広がっている。一部の県級建設プロジェクトの環境影響評価実施率はわずか30〜40%で、一部の工業団地プロジェクトでも環境影響評価実施率は半分にも満たない。【中国国家環境保護総局】

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