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環境ニュース[海外]

UNEP 世界の閉鎖林調査を実施

地球環境 森林の減少】 【掲載日】2001.08.29 【情報源】国連/2001.08.20 発表

 UNEPは、人工衛星を活用して、世界の閉鎖林(Closed Forest)の現状に関する調査を実施し、報告書「世界に残存する閉鎖林の現状に関する評価(An Assessment of the Status of the World’s Remaining Closed Forests)」を公表した。閉鎖林は、空から見て森林部分の40%以上が樹木によって覆われた林を指し、このレベルを超えると環境的、生態学的に有効な機能を果たしえるとされる。
 調査によると、現存する閉鎖林の80.6%が15か国に集中していることがわかった。この15か国とは、ロシア、カナダ、ブラジル、アメリカ、コンゴ、中国、インドネシア、メキシコ、ペルー、コロンビア、ボリビア、ベネズエラ、インド、オーストラリア、パプアニューギニア。
 また、調査の結果、インドや中国にある閉鎖林は、人為的活動によって大きな影響を受けているため、保全および保護のために努力が必要であることがわかった。他方、ボリビアやペルーにある大部分の閉鎖林については、人口増加の影響が小さいという。
 しかし、様々な国際会議や条約等があるにもかかわらず、地球全体の森林は、増大する脅威にさらされている。本報告書によれば、15か国のうち、保護のレベルがもっとも低かったのは、ロシアで、2%。次いで、メキシコ3%、中国3.6%、アメリカ6.7%、カナダ7.4%となっている。本報告書は、15か国の政府に対し、それぞれの国の閉鎖林をいかにして保護していくかについての詳細を示した行動計画案を作成するよう求めている。
 UNEP事務局長のKlaus Toepfer氏も、「政府、地域コミュニティ及び国際機関に対し、我々の調査結果や勧告に基づいて行動するよう促していく」とコメントした。
 なお、UNEPは、「世界の森林に関する影響評価とモニタリングに関する戦略(Strategy on Global Forest Assessment and Monitoring)」を間もなく公表する。これは、UNEPが森林保護を支援するためとる行動の概略を示すもの。これらには、政府や、NGO、FAO国連食糧農業機関)と協同して閉鎖林のモニタリングおよび影響評価方法を策定することも含まれる。将来の展望としては、恒常的な森林モニタリングシステムの創出が望まれる。【UNEP】

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