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環境ニュース[海外]

欧州委員会 排出取引指令、「リオ+10」サミットまでの京都議定書批准を提案

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2001.11.02 【情報源】EU/2001.10.23 発表

 欧州委員会は、23日、気候変動に取り組む主要な政策パッケージを提案した。これは、京都議定書の批准に関する提案、EU域内における温室効果ガス排出権取引に関する指令草案、温室効果ガス削減のためのさらなる手法を示すコミュニケーションから構成されている。委員会は、2002年9月のヨハネスブルグにおける「リオ+10」サミットまでに京都議定書をEUレベルで批准することを確認。各EU加盟国に対して、2002年6月14日までに批准準備を終えるよう求めていく。

温室効果ガス排出権取引に関する指令案
 指令は排出権取引のEUの枠組及びEU域内における排出権市場を設定することを目的とする。これは、域内の適切な市場を確保するとともに、国際的な排出権市場から生じるであろう競争の歪みを予防するものである。
 委員会提案はEUにおける排出権取引は2005年から始めるべきとし、第1フェーズでは大規模産業及びエネルギー事業からのCO2排出を対象とする。指令の影響を受ける施設は4000〜5000ヵ所に及び、EUのCO2総排出量(2010年時点)の46%をカバーすると見られている。
 具体的な手続きは次のとおり。対象施設は、それぞれの加盟国の当局に対し、温室効果ガスを排出する許可を申請。これに基づいて、加盟国は毎年各施設に排出許可を割当てる。排出許可の総排出量を削減するため、許可の数は段階的に削減される。各施設の管理者は、排出許可量を遵守する必要があるが、これらの許可は取引することも可能。また、遵守できなかった管理者に対しては罰金が科せられる。なお、2005年〜2007年までは、各国は、欧州委員会の承認を得た国別割当計画(national allocation plan)に基づいて、国内の施設に無料で排出割り当てを行うことができる。2008年〜2012年については、その後、欧州委員会が割当て手法を設定する。
 加盟国は許可の保持及び移動を正確に把握するため国家レジストリを設置し、委員会は記録管理のため、共同体レベルで中央管理機関を指定する。加盟国は委員会に指令の実施について毎年報告しなければならない。
 指令案では、排出のモニタリング及び報告、報告の認証のためのクライテリアの原則も提示されている(詳細な提案は今後行われる予定)

欧州気候変動プログラムの実施に関するコミュニケーション
 委員会は、さらに温室効果ガスを削減するため、10の取組を発表した。これらの取組は、欧州気候変動プログラム(European Climate Change Programme ; ECCP 2000年3月公表)に掲げられた40の手法に含まれている。具体的なメニューは、公共調達におけるエネルギー効率性の改善、モーダルシフトの促進、コージェネレーション、エンドユース機器におけるエネルギー効率性のアップ、エネルギー需要管理など。
 欧州委員会は、今後2年間で、これらの取組を実施するための具体的な提案を行っていく予定。なお、取組の一部は、既にエネルギー供給の安全性に関するグリーン・ペーパー及び最近の共通輸送政策に関する白書に含まれている。【欧州委員会環境総局】

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