一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界気象機関、大気質と気候との複雑な相互作用を追跡した「大気質・気候公報」2025年版を発表
【大気環境 その他(大気環境)】 【掲載日】2025.09.24 【情報源】研究機関/2025.09.05 発表
世界気象機関(WMO)は「大気質・気候公報」2025年版で、化石燃料の燃焼など気候変動を引き起こす人間活動は黒色炭素や亜酸化窒素、地表オゾン等を発生させ、気候変動をさらに悪化させるという悪循環を生んでいると指摘した。世界保健機関によると、大気汚染は世界で年間450万人超の早死を引き起こし膨大な環境・経済損失をもたらしている。
輸送、工業、農業、山火事、砂塵から発生する粒子状物質(PM)は依然として重大な健康リスクである。
2024年は、山火事や干ばつに起因する火災によりカナダ、シベリア、中部アフリカ、アマゾンで微小粒子状物質(PM2.5)濃度が異常に上昇。
アマゾンの山火事は都市部の大気質悪化を引き起こした。
エアロゾルは多様で温暖化・冷却の両効果を持つ。船舶排出規制で大気質は大幅に改善したが、冷却効果の低下で温暖化が若干加速。
インド・ガンジス平原では、車両や農業残渣等の焼却による汚染で冬の霧が持続化している。
報告書は、統合的政策、国際的監視・連携の強化、大気モニタリング改善の必要性を強調している。
【世界気象機関】