湿原の環境改善のため補助制度を拡充　水位の上昇に取り組む

【自然環境 その他(自然環境)】 【掲載日】2005.02.08 【情報源】イギリス／2005.01.21 発表

　イギリスのモーレイ環境大臣は、1月21日、イングランドの主な湿原生息地の保護のため、さらなる資金が提供されることを発表した。この補助金は、主に優先度の高い「学術研究上重要地域（SSSI）」を対象としたもので、これにより治水組合に補助率100％の補助金が与えられることになる。
　この補助によって、湿原の水位が上昇することが期待される。補助金は、夏場の水供給を改善するため、放水路の改善や新たな貯水池づくりなどに充てられ、タゲリやシギなど、ここ25年間で深刻な減少を続ける渡り鳥が恩恵を受ける。
　これまでは、補助率が50〜80％程度であったため、優先度の高い学術研究上重要地域の環境状況の改善も、資金不足を理由に差し控えられていた。イギリス環境・食糧・地方省は、今回の提案に向け、イングリッシュ・ネーチャーと連携して取り組んできた。
　政府が負担する費用は年間230万ポンド（4億4850万円）の予定。治水組合に対する今回の補助率の変更は、政府の洪水防御政策の見直しの一環として行われたものである。【イギリス環境・食糧・地方事業省】