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環境ニュース[海外]

キャビア輸出国 カスピ海のチョウザメを保護する方策を検討

自然環境 野生動植物】 【掲載日】2001.06.26 【情報源】国連/2001.06.12 発表

 6月12日から13日まで、ジュネーブにおいて、チョウザメの数を安全なレベルまで回復させるための地域管理計画の策定について議論するため、カスピ海諸国の代表者が会合を開いている。
 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約ワシントン条約)は、来週(6月19日から22日)にパリで開かれる会合において、アゼルバイジャン、カザフスタン、ロシア、トルクメニスタンでのキャビアの取引を制限するための措置を検討する。イランは、ジュネーブでの議論に参加しているが、同国のチョウザメの管理システムが比較的有効であるため、取引の制限を要請されない。
 代表者は、UNEPによって推進されている「行動提案」(“action proposals”)について検討する。重要な提案は、チョウザメを含む、漁業資源の分配に関する地域協定のための交渉を完結させることである。また、カスピ海のチョウザメの潜在数を成長させ、キャビアから得られる収入に依存しているコミュニティーを援助するための方策も探っている。
 WWFとIUCNの野生生物取引のモニタリング・プログラム、TRAFFICによれば、カスピ海のチョウザメの漁獲高は、1970年代後半の22,000トンから、1990年後半には1,100トンにまで落ち込んでいる。この減少の原因は、川の流水の減少、産卵場所の破壊、汚染、密漁、組織的犯罪および違法取引である。
 この危機を認識し、ワシントン条約の附属書IIにはチョウザメの全ての種が掲載されている。このリストは、現在では、許可および特定のラベル使用を含め、すべてのキャビア輸出が厳格なワシントン条約の規定を遵守しなければならないことを意味している。輸出に必要な許可を得るために、取引が種の長期的存続に有害でないことを示さなければならない。
 ワシントン条約動物委員会は、この審査の結果を検討し、2001年2月、アゼルバイジャン、カザフスタン、ロシア、トルクメニスタンに対し、各国が要求している2001年のチョウザメの捕獲量およびキャビアの輸出量を実質的に削減することを求める勧告を行っている。また、同委員会は、捕獲量および輸出量が科学的に有効なものであるよう、チョウザメの数の科学的知見に基づく影響評価の実施(FAOの支援を得て)など、多くの改善を実施することを求め多雨。さらに、同委員会は、政府がこれらの勧告について十分な報告を行うまでは、全ての輸出を禁止すべきと勧告した。【UNEP】

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