一般財団法人環境イノベーション情報機構
オーストリアの遺伝子組換フリーゾーン構想 欧州委員会に否決される
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2003.09.19 【情報源】EU/2003.09.02 発表
遺伝子組換体の利用を一部の州で禁止したいというオーストリアの要請に対し、欧州委員会は9月2日、これを拒否することを決定した。オーストリア上部の州は、遺伝子組換体との交雑から、動植物や有機農業・慣行農業を守るため、GMフリーゾーンとなる構想を抱いていた。EC条約第95条(5)項は、一定の厳格な条件の下、加盟国がEU共通の措置から逃れることを認めている。オーストリアは、この条項に基づいて、2003年3月に通知を行っていた。しかし、欧州委員会は、欧州食糧安全機関(EFSA)の科学委員会とも協議し、オーストリアから提出された情報は、環境保護などに関する新たな科学的証拠となるものではなく、また、オーストリア上部に特有の問題があるという点も立証されていないとして、この条項を援用するケースには該当しないと結論付けた。【欧州委員会環境総局】