一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、自然環境の劣化や気候変動の影響は喫緊の課題と報告
【自然環境 その他(自然環境)】 【掲載日】2025.10.15 【情報源】EU/2025.09.29 発表
欧州環境庁(EEA)は、報告書「欧州の環境2025」(注)を公表した。これによると、温室効果ガス(GHG)や大気汚染物質の排出削減で大きな成果が出ているが、全体的な環境は良好とは言えない。
特に自然環境の劣化や自然資源の過剰利用、生物多様性の損失は顕著であり、2030年までの政策目標が達成される可能性は低い。
環境改善の進捗を踏まえた見通しは大半が憂慮すべきものであり、経済的な繁栄や安全保障、市民生活の質にとって大きなリスクになっている。
また、気候変動の加速による影響も喫緊の課題である。緩和策と並行し、誰も取り残さないかたちで社会・経済の適応を急ぐ必要があるという。
報告書は、生物多様性や水資源への負荷、気候変動といった最重要課題は、経済と自然環境・資源との関係を再考するよう迫っており、自然環境の回復なしには経済競争力も質の高い暮らしも維持できないと指摘する。
このため、生産・消費システムの抜本的な改革(経済の脱炭素化、循環型経済への移行、汚染の削減、自然資源の責任ある管理など)が急務だと論じている。
(注)欧州38ヶ国のデータに基づき、域内の環境や気候、持続可能性に関する現状と見通しを包括的に分析した報告書である。1995年から5年ごとに発行されている。
【欧州環境庁】