一般財団法人環境イノベーション情報機構
アメリカ海洋大気庁、北極圏がCO2排出源に変わりつつあると報告
【地球環境 その他(地球環境)】 【掲載日】2024.12.26 【情報源】アメリカ/2024.12.10 発表
アメリカ海洋大気庁(NOAA)は、「北極圏報告カード2024年版」を発表した。北極圏の気候は急速かつ複雑に変わりつつあり、北極圏における新たな適応策や適応策の強化、世界的な化石燃料からの排出削減が求められているという。
報告された劇的な変化のひとつが、北極圏が炭素の吸収源から排出源になりつつあることである。
何千年にわたり凍土に炭素を貯蔵してきた北極圏のツンドラ地帯は、頻繁な山火事によって、いまや貯蔵量よりも多くの炭素を大気中に排出しているという(注)。
この他にも、高温の持続や、以前は多かった内陸のトナカイの群れの減少、冬期降水量の増加などの変化がみられ、これらの裏付けとなる観測結果が示されている。
また、地域差が大きく、人や動植物が局地的、地域的な環境変化を予測することが極めて困難になっているという。
同カードは、こうした変化への適応が急務であり、北極圏の急激な変化を理解してこれに対処するには、先住民の知識や地域社会主導の研究プログラムが不可欠だと論じている。
(注)2003年以降、山火事の影響を考慮した周極域の炭素排出量は年間平均2億700万トン
【アメリカ海洋大気庁】