一般財団法人環境イノベーション情報機構
2022年の先進国から途上国への気候資金は初の1,000億ドル超、経済協力開発機構が発表
【地球環境 国際環境協力】 【掲載日】2024.06.17 【情報源】国際機関/2024.05.29 発表
経済協力開発機構(OECD)は、先進国が途上国の気候変動対策支援に年間1,000億ドルを拠出するとの目標(2009年合意)への進捗状況に関する評価書で、2022年に先進国は途上国への気候資金として1,159億ドルを拠出・動員し、初めて目標を上回ったと発表した。前年比30%(263億ドル)増で過去最大の伸びとなり、当初の目標であった2020年より2年遅れたがOECDの予測より1年早く目標額に達したという。これによると、2022年は二国間・多国間双方からの公的資金が引き続き気候資金の大部分を占めた。適応への資金は増加傾向にある。低所得国向け資金は2022年に全体の10%と比較的低水準にとどまった。しかし、気候資金に占める適応資金の比率が、途上国の平均(25%)より後発開発途上国(LDC)と小島嶼開発途上国(SIDS)の方が高かった(約50%)ことは重要だという。一方、LDCとSIDSへの民間資金動員は限定的で、気候行動への民間投資誘致の課題に対処できるよう、国際支援の必要性が浮き彫りになった。
【経済開発協力機構】