一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州市民の環境アンケート結果を公表
【環境行政 行政資料】 【掲載日】2003.04.07 【情報源】EU/2003.03.27 発表
欧州委員会のヴァルストロム環境委員は、3月27日、2002年秋に実施されたアンケート調査「欧州市民の環境への態度(The attitudes of Europeans towards the environment)」の結果を公表した。この調査は、EUの市民16,000人を対象に実施された。調査結果によると、環境問題は優先課題のうち、依然としてトップに挙げられているものの、汚染の主要な原因及びとるべき対策については、意見の変化が見られた。また、前回の調査(1999年に公表)と比べると、加盟国の態度にも微妙な変化が見られる。
最も心配な環境悪化を引き起こすものは何かという問いに対しては、50%が原子力災害と答え、45%が産業による災害としている。従来から問題とされている大気汚染、自然災害、水質汚染、熱帯雨林の減少についても、回答者の41%から44%が懸念を示した。前回の調査と比較して興味深いのは、加盟国のうち、環境問題に最も関心が高いのがギリシャとなったのに対し、最も関心が薄いのがオランダとなったことである。
何ができるかに関しては市民の意見が分かれた。回答者の50%が自分の行動によって環境の悪化傾向を逆転させることができると信じているのに対し、50%は自分が行動しても何も変わらないと感じている。しかし、欧州市民の65%は、他人もまた同様に行動することを約束するなら、影響を及ぼすことができるとしている。
また、将来を悲観的に見ている人が44%に上ったのに対し、行動の変化によって好ましい結果を得られるという楽観論を示した人は45%に上った。
対策については、規制の強化及び強力な執行を支持する人が48%、より良い情報提供、環境意識の向上及び意思決定への幅広い参加が成果をあげるための道だとする人が45%であった。既存の規制のより良い執行が鍵になるとする人も40%に上った。
環境保護に関する意思決定を行うレベルとしては、欧州市民の33%はEUが最良だと答えた。一方、各国政府と答えた人は30%、地方自治体とする人は27%であった。【欧州委員会環境総局】