一般財団法人環境イノベーション情報機構
オーシャン・パネル、海洋に基づく気候行動は2050年までの排出削減の35%を実現可能と報告
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2023.10.10 【情報源】研究機関/2023.09.20 発表
18ヶ国の首脳で構成される「持続可能な海洋経済の構築に向けたハイレベル・パネル」(オーシャン・パネル)は、すぐに実施可能な海洋における気候行動により、気温上昇を1.5℃に抑えるために必要な2050年までの温室効果ガス削減量の最大35%を達成可能とする報告書を発表した。報告書は気候変動に対処する海洋における解決策として、
・海洋再生可能エネルギーの拡大
・海運の脱炭素化
・沿岸・海洋生態系の保護・回復
・海洋が供給する低炭素食料の利用
・海洋のCO2除去及び海底下のCO2回収・貯留
・海洋観光の脱炭素化、海洋石油・ガス採掘の削減
を指摘。例えば、海洋再生可能エネルギーにより2050年までにCO2を年間最大3.6ギガトン、ブルーカーボン生態系(マングローブ、海草藻場、潮汐湿地等)の保護・回復・持続可能な管理により最大0.285ギガトン削減できるという。こうした解決策は、持続可能な海洋経済の開発、沿岸地域の強靭化・雇用創出・食料安全保障の強化にも寄与する。しかし、残された時間は少なく、解決策への融資は喫緊の課題であると警告している。
【世界資源研究所】