一般財団法人環境イノベーション情報機構
ドイツ 排出量取引制度により130億ユーロの収益を記録
【環境行政 その他(環境行政)】 【掲載日】2023.01.20 【情報源】ドイツ/2023.01.03 発表
ドイツ連邦環境庁(UBA)によると、欧州排出量取引制度(EU-ETS)におけるドイツの2022年のオークション収益は68億ユーロを超え、前年(2021年53億ユーロ)と比較して大幅増収となった。一方で運輸・熱部門を対象とする国家排出量取引制度(nEHS)の収益は約64億ユーロ(2021年は72億ユーロ)と前年を下回った。両制度による2022年の収益は合計130億ユーロ超と、前年(2021年125億ユーロ)をわずかに上回った。収益は全て気候変動基金(KTF)で運用され、建築部門における資金調達、充電インフラの拡大を含む電気自動車の開発、水素産業の開発、エネルギー効率の促進といった支援プログラムに利用されている。EU-ETSでは排出枠の価格が大幅に上昇している。2022年の平均価格は80.32ユーロと前年(2021年52.50ユーロ)を大きく上回った。2020年(24.61ユーロ)と比較すると3倍以上になっている。連邦環境庁気候保護・エネルギー・ドイツ排出権取引局のランドレーべ局長は、「排出枠の価格高騰は欧州の改革プロセスに大きく起因している。市場参加者は、政治的な枠組みの条件がより気候保護に向けられていることを認識することになり、気候変動に配慮した技術や生産方法への投資に必要な経済的インセンティブが生まれる。この1年間の価格動向は、欧州の気候政策の改革能力に対する市場関係者の信頼と見ることもできる」と述べた。【ドイツ連邦環境庁】