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排出量取引 環境用語

作成日 | 2003.09.12  更新日 | 2026.10.07

排出量取引

ハイシュツリョウトリヒキ   【英】Emissions Trading  [略]ET  

解説

環境汚染物質の排出量低減のための経済的手法のひとつ。

汚染物質の排出量を抑制するために、あらかじめ国や自治体、企業などの排出主体間で、一定期間において一定の割合の総量削減義務(キャップ)を課し、その義務を果たす方法として、自ら何等かの削減投資などをして削減義務を果たすことに加え、自らの削減を行わずその不足分を排出クレジット取引市場から、削減義務以上の削減を行い売り出された排出クレジットを購入することで削減義務を果たす(トレード)ことを認める制度。排出クレジット市場では、クレジットを売りたい者と買いたい者が取引をすることになり、その両者が釣り合ったところでクレジット価格が決定されることになる。これにより、社会全体として限界削減費用が均等化され、一定量の汚染物質の社会全体としての削減費用が、そうでない場合に比べてより低くなるという特長がある。これをキャップアンドトレードといい、欧州排出量取引制度など二酸化炭素の排出削減など気候変動対策の柱となっている。なお、2026年9月現在、日本は気候変動対策にかかる、国としてのキャップアンドトレードの制度は導入していない。

汚染物質の削減総量を個別の企業等に割り振る方法としては、無償割り当てとオークションによる割り当ての方法がある。また、クレジットの創出方法として、一定のベースラインを定めてその超過削減部分をクレジット分に認定する方法(ベースラインアンドクレジット)があるが、キャップを定めた方法に比べると総量削減の実効性は必ずしも担保されないという問題がある。

「排出量取引」という用語は、英語のEmission Tradingの訳語であり、日本では当初、「排出権取引」という訳語が多くみられたが、英語には本来「汚染排出をする権利」という意味はないので、現在、政府を含め日本では「排出量取引」が多く使われている。なお、日本の環境経済学の草分けである故天野明弘教授は、詳細な検討のうえ、Emission Tradingの正確な訳語としては、「排出することに関する譲渡可能な公的承認の取引」と考えることができるとしている。(2026年9月全面改訂)

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