一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州委員会、水中騒音公害に対するEU規制に向けた提言が承認されたことを報告
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2022.12.14 【情報源】EU/2022.11.29 発表
欧州委員会は、水中騒音公害に対するEU規制に向けた提言が承認されたことを報告した。人間が海で活動することによって生じる水中騒音は、海洋生物の聴覚障害や行動障害につながるなど、海の生物多様性に害を及ぼす可能性がある。そこで、同委員会の海洋戦略枠組み指令のもと、EUの専門家らによって騒音の許容レベルに関する提言がまとめられた。今回、EU理事会の議長国を議長とする加盟国の海事担当者の会合で承認されたという。許容レベルは、海運などによる継続的な水中騒音は所定の海域の20%以下(年単位)、石油やガスの探査や採掘などによる衝撃系の水中騒音は海洋生息地の20%以下(日単位)及び同10%以下(年単位)、となっている。こうした規制の動きはEUの汚染ゼロ行動計画に沿ったものであり、世界で初となる。今後加盟国は、海洋戦略を更新する際にこれらの数値を考慮に入れ、対策をとっていく必要がある。同委員会によると、衝撃系の騒音はEU海域の約8%で発生している。また、EU海域で船舶の往来がない部分はわずか9%だという。【欧州委員会】