一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界気象機関、温暖化は加速し極端気象による被害は甚大と2022年の世界の気候の現状を報告
【環境行政 環境白書】 【掲載日】2022.11.22 【情報源】研究機関/2022.11.06 発表
世界気象機関(WMO)は、「世界の気候の現状2022」暫定版を発表した。2021年に大気中温室効果ガス濃度は、観測史上最高を記録した。2022年の世界平均気温は工業化前比1.15℃上昇した。2022年までの8年で、史上8位までの高温年を占める。2020年以来のラニーニャ現象により2022年は史上5位か6位に留まるが、昇温傾向は継続する。世界平均海面水位は、1993〜2022年の30年間に年3.4mm上昇した。上昇は加速し、この30年の10年毎の上昇率は倍増した。海洋の昇温も加速し、2021年の海洋熱は記録的レベルに達し、2022年は海洋の55%が最低1回の熱波に襲われた。2022年にヨーロッパアルプスでは氷河の氷厚が3〜4m減退し、グリーンランドの氷床は26年連続で大量に消失した。極域の海氷面積は、年間を通じて1981〜2010年の平均以下であった。
アフリカ東部の4雨期連続の干ばつ、パキスタンの豪雨、アフリカ南部とカリブ海・フロリダの熱帯性暴風雨、中国とヨーロッパの熱波など極端気象が大きな被害をもたらした。
【世界気象機関】