一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界気象機関、オゾン層は回復過程にあるがなお問題ありとする「オゾン調査管理者」会合の結果を発表
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2021.08.23 【情報源】研究機関/2021.07.29 発表
世界気象機関(WMO)は、2021年中に開催されるウィーン条約とモントリオール議定書の締約国会議・会合へ向け、「オゾン調査管理者」第11回会合の結果を発表した。会合は、オゾン層は回復過程にあるが、これにとどまるべきでないとして以下の問題を指摘した。1)全廃へ向け削減が進むオゾン層破壊物質であるが、過去にトリクロロフルオロメタン(CFC-11)の予期せぬ排出増、つまり規制不遵守の経験がある。
2)ハイドロフルオロカーボン(HFCs)の排出は増加を続ける。代替フロンを規制するキガリ改正の目的達成を確実にしなければならない。
3)オゾン層の変動は気候、大気循環の影響も大きい(オゾン層・気候カップリング)。
4)航空機、ロケット等からの排出、気候介入(気候工学)による人工エアロゾルの影響等の懸念がある。
これら問題の解決のために、体系的観測による全球的・地域的なモニタリングとデータ収集が必要である。観測所の整備が必要であるが、特に熱帯地域・南半球で減少が続く。相当の資金を投入し、観測体制を整備する必要がある。
【世界気象機関】