一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州委員会、EU排出量取引制度の市場安定化リザーブにより2021年9月〜2022年8月に余剰排出枠3億7800万t-CO2を市場から吸収と発表
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2021.06.01 【情報源】EU/2021.05.12 発表
欧州委員会は、2020年の欧州炭素市場の余剰排出枠を15億7800万EUA(t-CO2)と発表した。このうちの24%、3億7800万EUAが、2021年9月〜2022年8月の間にEU排出量取引制度(EU-ETS)の市場安定化リザーブ(MSR)に吸収され積み立てられる。市場でオークション対象となる余剰排出枠は、その分減少することとなる。MSRは、排出量取引市場の需給の安定を図るために設置され、2019年1月1日に運用開始した。MSRの設置を定めた法令(決定(EU)2015/1814)は、欧州委員会に各年の余剰排出枠を翌年の5月15日までに発表することを義務付けており、この数値を基に、MSRは余剰排出枠を市場から吸収あるいは市場に放出する。市場の余剰排出枠が8億3300万EUAを超えると吸収、4億EUAを下回ると放出する。2019〜2023年の各年は、吸収量は余剰排出枠の24%とされている。割当先の稼働停止等の理由で配分されない無償排出枠もMSRにリザーブされるため、今後この数値を加えた若干の修正がある。【欧州委員会】