一般財団法人環境イノベーション情報機構
欧州環境庁、EUで過半数の大気汚染物質の排出が2017年に若干増加と報告
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2019.08.13 【情報源】EU/2019.07.22 発表
欧州環境庁(EEA)は長距離越境大気汚染条約(LRTAP)の下、EU排出インベントリ報告書1990-2017年版を公表し、大気汚染排出量は長年減少傾向にあったが、2017年には26の汚染物質の過半数が前年比で若干増加したことを明らかにした。これによると、2016〜2017年に窒素酸化物(NOx)と硫黄酸化物(SOx)はそれぞれ1.8%、1.3%減少したが、非メタン揮発性有機化合物(NMVOC)、一酸化炭素(CO)、アンモニア(NH3)はそれぞれ1.3%、0.2%、0.4%増加、粒子状物質や一部の重金属、残留性有機汚染物質も2017年に前年より若干増加した。近年、多くの汚染物質の排出削減率が鈍化し、排出量は若干増加している。例えば、1990年以降、粒子状物質形成の一因であるNH3の排出は他の主要汚染物質と比べ減少幅が小さく、過去4年間は増加傾向だという。
今回はそのほか、住宅用燃料の燃焼(家庭用ストーブの燃料燃焼など)部門が重要な排出源であることも報告された。2017年に同部門は大気中に直接放出された微小粒子状物質(PM2.5)の51%を、また、CO、多環芳香族炭化水素の42%、ダイオキシン、フラン化合物の24%、カドミウムの16%を占めたという。【欧州環境庁】