一般財団法人環境イノベーション情報機構
世界保健機関など、気候変動による小島嶼開発途上国の健康リスクに対処するイニシアティブを起ち上げ
【地球環境 国際環境協力】 【掲載日】2017.11.27 【情報源】国連/2017.11.12 発表
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)と世界保健機関(WHO)などは、気候変動が小島嶼開発途上国住民の健康に及ぼす影響に対処するためのイニシアティブを起ち上げた。2030年までに、すべての小島嶼開発途上国が気候変動に負けない保健システムを備えるとともに、世界中の国々が炭素排出を削減することを目指す。そのために、1)小島嶼開発途上国の保健関係者の国内外での発言力強化、2)気候変動と健康への投資を促すための事業例の収集、3)気候変動への備えを強化するための政策の推進、4)小島嶼開発途上国の気候と健康のための国際的な財政支援の3倍増、の4点を目標とする。WHOは、極端気象や海面上昇、感染症リスク拡大などの気候変動の悪影響を小島嶼開発途上国の住民が真っ先に被ることから、国際社会に対策の責任があるとし、国際気候資金のこの分野への配分強化を訴える。フィジー政府は、小島嶼国が気候変動に強い保健システムを作るための知見、資源、技術をこのイニシアティブに期待している。
この活動は国が主体となることを基本原則とし、いくつかの国はすでにWHOとの協議を始めている。WHOは、UNFCCC事務局と共同で2015年から国別に小島嶼国のリスク分析や適応策の助言作業を行っており、2018年末までにすべての国の分析結果の公表を予定している。【国連気候変動枠組条約】