一般財団法人環境イノベーション情報機構
ドイツ、内閣が生物多様性国家戦略報告書を承認
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2017.08.17 【情報源】ドイツ/2017.08.02 発表
ドイツ連邦内閣は、生物多様性国家戦略第2回実施報告書を承認した。同戦略は10年前に連邦政府によって承認されたもので、ドイツ国内における生物多様性の保全と持続可能な利用に関する指針であり、今回承認された報告書は、2013年から2017年までの戦略実施状況について報告するものである。ここでは、重要な指標である「多様性と景観の質」において、ネガティブな傾向が示されている。その本質的な背景として、集約型農業とエネルギー作物の栽培拡大、更に交通インフラや住宅地や商業地の拡張が生息空間の分断を導いているとしている。また、各州に義務付けられている州面積の最低10%をビオトープネットワークにする目標は遂行が遅れている。一方で、ポジティブな傾向として、16州のうち14州が生物多様性国家戦略をベースに独自の生物多様性戦略やプログラムを開発したことが挙げられている。また、人の介入から保護されたビオトープの面積は2014年には国土の4.4%にまで増加、さらに国有林の10%を2020年までに自然に戻す目標は、国家自然遺産の枠組みですでに達成されている。河川や川辺における保護活動については、2017年2月に連邦内閣がブルーベルトプログラムを承認したことにより、今後の包括的な再自然化対策を実施する条件が整えられた。生物多様性国家戦略を進める生物多様性連邦プログラムに対する連邦予算は、2007年には1500万ユーロから2000万ユーロへと引き上げられた。【ドイツ連邦環境省】