一般財団法人環境イノベーション情報機構
IPBES、花粉媒介生物と食料生産への影響についてアセスメントレポートを発表
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2016.03.10 【情報源】国連/2016.02.26 発表
「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)」は、2012年のIPBES設立以降初めてのアセスメントレポート「花粉媒介者、花粉媒介、食料生産」を発表した。それによると、花粉を運ぶ昆虫などの生物は、人間の食料供給に極めて重要な役割を果たし、その価値は年間2350億〜5770億ドルに上るという。食料だけでなくバイオ燃料や繊維、飼料、生活・文化的必需品の供給にも寄与しているが、こうした生物が土地利用の変化や農薬など、多くは人為的要因によって減少している。そうした現状をふまえたうえで、アセスメントは、花粉媒介者を保護する手段も多く存在するとし、持続可能な農法などの例を具体的に示している。アセスメントでは、政策決定者が質の高い情報が得られるよう、花粉媒介や食料生産に関する膨大な知見を評価した。約3000の科学論文を引用したほか、世界の60か所以上の先住民や地域の知識に基づく情報も集めたという。【生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム】