一般財団法人環境イノベーション情報機構
生態系の経済価値を評価するTEEB、グルジアでのスコーピング調査結果を公表
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2013.10.18 【情報源】国連/2013.10.01 発表
国連環境計画は、グルジア政府、WWFとともにグルジアで実施した、生態系や生物多様性の経済的価値を評価する「生態系と生物多様性の経済学」(TEEB)スコーピング調査の結果を公表した。TEEBは、生物多様性がもたらすさまざまな経済的恩恵を評価し、生物多様性の減少や生態系の劣化によって生じているコストを考える世界的取組。国別調査は、各国の具体的な政策やテーマに沿って生態系サービスを中心に自然資本の詳しい調査を行い、それを政策に組み入れるための勧告を行うもので、スコーピング調査は本調査の準備段階に当たる。今回の調査は、グルジア経済の中核であるエネルギー、観光、農業、鉱業、林業の5部門が実質的に自然資本や関連サービスに依存していることを明確にし、健全な生態系が経済的にも重要であることを示した。たとえば農業では、遺伝的多様性の低下や塩害、土壌流失による土地の劣化が課題であることが判明したため、次段階として農業TEEBの実施を勧めている。同国の環境自然資源保護大臣は、「TEEBは持続可能な経済成長を促しつつ生態系の保全を図る効果的な手段」だとしている。【国連環境計画】