一般財団法人環境イノベーション情報機構
インド オゾン層を保護するための努力を倍増
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2002.05.15 【情報源】国連/2002.05.02 発表
インド及びUNEPのイニシアティブのもと、クロロフルオロカーボン(CFCs。オゾン層破壊物質の一つ)の大規模製造業者であるインドの4社は、新たな生産技術を導入し、製造工程からのCFCs漏出を規制することを誓約した。併せて、4社は、中小のCFCs関係事業者を対象とする国家規模の普及啓発スキームも後押しすることとなった。インドは、中国に次ぐ世界で2番目のCFCsの製造国だが、モントリオール議定書に基づき、生産を段階的に廃止するため、1999年に8,200万ドル(102億5000万円)の助成を受けている。この4社の生産量は、1990年代末には23,659トンに上ったが、2010年にはゼロになる見込み。
今回の取組は、現在の廃止スケジュールの対象からはずれている、生産工程からの「漏出」対策を講じるもの。一方、普及啓発活動は、南アジアおよび東南アジア全域で行われているCFCsの密輸入をなくすのに役立つと期待されている。CFCsは、開発途上国でキロ当たり4ドル程(500円)だが、この地域の国際小売市場では、1ドルから1.5ドルの間(125円〜188円)で取り引きされている。警察、インターポールおよびモニタリング機構は、インド以外の国々がCFCsをインド市場で違法に販売し、利潤を得ているという証拠をつかんでいる。専門家は、違法取引によって、オゾン層破壊物質削減に向けたインドの取組の効果が損なわれるかもしれないと懸念している。【UNEP】