一般財団法人環境イノベーション情報機構
「生物多様性減少に歯止めを」、過去20年の研究結果に基づきアメリカの生物学者らが合意声明を発表
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2012.06.21 【情報源】アメリカ/2012.06.06 発表
生態学者らの国際チームが、地球上の生物多様性減少に歯止めをかけるための国際的な取り組み強化を訴える合意声明を発表した。過去20年の1000件以上の生態学研究結果を評価したところ、生物の多様性が減少すると、生態系の生産性と持続可能性も低下することが明確に示されたという。1992年の生物多様性条約採択以来20年の間に、生物多様性の減少が進んだ。だが、新たに2020年までの生物多様性保全目標として愛知ターゲットが策定され、世界の生物多様性と生態系の持続可能な管理を主導する「生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム」(IPBES)も設立されるなど、多様性の保全を目指す前進は続いている。
声明では、人間の活動によって地球上の野生生物の種が減少し、生態系が損なわれ、その結果きれいな水や空気、食糧などの人の生活に不可欠な生態系サービスも低下しているが、世界各国が生物多様性の保護を最優先に取り組めば、まだ回復は可能だとしている。そして、生物多様性と生態系の機能およびサービスをつなぐ基礎的な生態プロセスを理解することで、生物多様性喪失の時代を人間の安全な未来へと転換することは可能だと結論付けている。【アメリカ国立科学財団】