一般財団法人環境イノベーション情報機構
イギリス 外来植物駆除に昆虫投入なるか 協議文書を発表
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2009.07.31 【情報源】イギリス/2009.07.23 発表
イギリス環境・食糧・農村地域省は7月23日、侵略的外来植物の駆除に外来昆虫の使用の賛否を問う協議文書を発表した。タデ科の植物、日本イタドリは、19世紀初頭に園芸用として輸入され、東アジアには存在する天敵(186種類の昆虫やノミ類)不在の中、イギリスで蔓延。建物や道路、線路にまで被害を及ぼしており、その修理にかかる費用は年間数百万ポンドに上るという。イタドリの駆除には2003年、イギリス全体で15億6000万ポンドが費やされている。
そこで、化学物質の使用や除草剤及び駆除作業等費用の削減のため、政府はイタドリマダラキジラミの導入を検討。農産業研究センター(CABI)による5年間の研究により、イギリスでの日本イタドリ管理には、イタドリマダラキジラミの使用が最適との結果が得られた。園芸作物や重要作物など、イタドリに似た植物87種類についてイタドリマダラキジラミの食害についてテストした結果、一部のタデ科外来類似種にのみに被害が出ることが確認された。イタドリマダラキジラミの導入許可が下りた場合、欧州初の外来植物駆除への外来昆虫利用となる。
意見募集期間は2009年10月19日まで。【イギリス環境・食糧・農村地域省】