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環境ニュース[海外]

ドイツ 生物多様性の喪失による経済損失について 中間報告を公表

自然環境 生物多様性】 【掲載日】2008.06.04 【情報源】ドイツ/2008.05.29 発表

 生物多様性条約第9回締約国会議において、ドイツ銀行のエコノミスト、スクデフ氏が「生態系生物多様性の経済学(TEEB)」に関する研究プロジェクトの中間報告を行った。
 この研究は、2007年3月、ドイツ政府がポツダムで実施したG8+5カ国環境大臣会合で、生物多様性生態系サービスの経済的な価値及び生物多様性の喪失による長期的な影響について検討することが合意されたことを受けて、ドイツのガブリエル環境大臣と欧州委員会のディマス環境委員が委託したもの。気候変動による経済的損失や対策コストを分析したスターン・レビュー報告書に倣って、生物多様性の喪失による経済影響を分析する。
 今回の中間報告(第1段階)では、生態系生物多様性の重要性、何もしなかった場合の影響を提示。何の対策も講じられなかった場合、2030年までに世界のサンゴ礁の60%が失われ、2050年までに自然地域の11%が失われるなど、生物多様性の喪失は続き、場合によってはさらに悪化の速度が増すとしている。また、森林の生物多様性生態系サービスが失われることによるコストは、年間1兆3500億ユーロから3兆1000億ユーロに上るという試算を示した。
 ガブリエル大臣とディマス環境委員は、中間報告を踏まえて、政府や企業は、生物多様性の経済的な価値を方針に反映させる必要があると述べ、研究の第2段階への支援を表明した。
 研究の第2段階では、第1段階で得た知見を政策や対策の立案に活用していく方法を提示する。2009年に最終報告書の完成が予定されている。【ドイツ連邦環境省】

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