一般財団法人環境イノベーション情報機構
EU 地中海を環境汚染から守る事業の候補を選定
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2008.04.23 【情報源】EU/2008.04.10 発表
欧州委員会と欧州投資銀行は4月10日、地中海南東部の諸国における汚染集中地域を対象とする将来的な投資について、研究結果を公表した。これは、2020年までに地中海の主要な汚染源に取り組むための「ホライズン2020構想」の一部として行われたものである。この研究結果によれば、地中海南東諸国において、海洋へ排出している汚染物質の削減を支援するプログラムが必要であるという。汚染の80%が陸上起因のものであり、人口10万以上の都市の半数以上が下水処理施設を持たず、都市部の排水の60%が直接、海洋へ流出している。また、地中海南東諸国で行われる埋立の80%がモニタリングされていない。地中海の水質悪化により、沿岸に居住する1億4300万人の生活が脅かされ、漁業及び観光業といった主要な経済部門の長期的発展が危ぶまれている。
提案された地中海主要汚染源投資プログラム(MeHSIP)及びホライズン2020構想は、バルセロナ・プロセスに含まれ、EUの近隣政策の対象となる地中海東南諸国とEUとの協力関係の一環となる。
主要汚染源に対する投資先の選定作業は欧州投資銀行がUNEPの地中海行動プログラムと協力して行った。欧州投資銀行では、地中海東南諸国のうち7カ国の44の事業をMeHSIPのリストに掲載する手続を進めている。【欧州委員会環境総局】