一般財団法人環境イノベーション情報機構
イギリス 気候変動が希少野生動植物に及ぼす影響を調査
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2007.06.01 【情報源】イギリス/2007.05.22 発表
気候変動の結果、貴重な野生動植物が失われるのを防ぐため、早急に対策を取る必要があると、イギリスのガードナー生物多様性大臣が新たな報告書を踏まえて発表した。この「MONARCH(気候変動に対する自然資源の反応のモデリング)」報告書は、様々な温室効果ガス濃度の下、2080年代までに、気候変動が希少種に与えうる影響を分析したもの。ナチュラル・イングランドなどが7ヵ年を費やして行った研究結果である。
報告書では、120種の希少種・絶滅危惧種を対象にこれからの変化を予測した。このうち、特に32種については詳細な分析を行い、その大部分は生息場所や生息範囲が変わりそうなことが分かった。ウタツグミなど8種については、イギリスおよびアイルランドでは適応できる範囲が減少し、絶滅のおそれが高まる可能性がある。
また、ガーディナー大臣(生物多様性担当)は、「変動する気候の中で生物多様性を保全するためのガイダンス」を発表した。これは、野生生物が気候変動に適応するのを支援する6つの戦略を示すもので、土地管理者などが利用できる。【イギリス環境・食糧・農村地域省】