一般財団法人環境イノベーション情報機構
中国 国家環保総局が「国家農村安定環境行動計画」を公布
【環境行政 行政資料】 【掲載日】2007.05.29 【情報源】中国/2006.10.26 発表
先日、国家環保総局が『国家農村安定環境行動計画』を公布した。同計画の全体目標は、2020年までに農村地区の環境汚染を効果的に抑制し、農村の「汚い、乱れる、劣る」という問題を一応解決し、農村の生活・生産環境が改善され、『きれいな水源、美しい家と田園』新農村建設と小康社会(まずまずの経済水準の社会)の全面的建設に環境面で支援する。
同計画では第11次五ヵ年計画期間の目標を明確にした。[1]2010年までに農村環境の『汚い、乱れる、劣る』という問題を一応解決し、農村地区の工業企業汚染対策の段階的成果を上げ、農村飲料水環境を改善し、大規模畜産業の汚染をほぼ抑制し、有機食品生産基地を新設し、生態モデル創建活動を全面的に展開し、農村環境管理能力を強化し、市民環境意識を更に向上させ、農村環境を改善する。500社の工業企業汚染対策モデル事業の実施では、[1]全国1万の行政村で農村生活ゴミ回収−処理システムや生活汚水処理施設実証事業を整備し、東部4000ヶ所、中部3500ヶ所、西部2500ヶ所で実証事業を行う。[2]500軒の大規模畜産業の汚染防止モデル事業を実施する。[3]10ヶ所の土壌汚染防止・修復モデル事業を実施する。[4]600ヶ所の農村飲料水源地汚染整備モデル事業を実施する。[5]300ヶ所の有機食品生産基地を整備する。[6]2000ヶ所の美しい環境村づくり、1万の生態村を整備する。[7]200県で環境モニタリング、監督管理、宣伝教育のインフラ整備を強化する。
同計画実施の重点分野は、第一に村落環境汚染総合対策の実施である。生活ゴミが指定場所に置かれ、統一的に回収され、定刻通り清掃され、集中処理されるよう、資源化利用や村級以上の集中処理システムへの組み込みを推進する。また各地の実状に合わせて農村生活汚水処理を実施し、生活汚水処理率を高めていく。
第二に工業企業汚染対策の強化である。東部沿海部の経済発展地区の農村工業企業にクリーナープロダクションを積極的に普及させる。中西部の経済発展の遅れた地区の農村工業企業では自然資源を合理的に利用開発し、汚染がひどい生産事業の導入と新設を禁止する。
第三に土壌汚染と農業面源汚染の対策である。異なる土壌汚染地区の各類型の代表的地域に対して、土壌汚染対策・修復モデル事業を実施する。汚水による灌漑や底泥の土壌への施用を厳格に規制し、有機食品生産を振興し、農薬・化学肥料・農業マルチフィルムなど農業用化学品の合理的使用を指導し、エコ農業の積極的振興を行う。
第四に農村飲料水の環境的安全の確保である。
第五に大規模畜産業の汚染対策である。畜産廃棄物の資源化利用レベルと汚染物排出基準達成率を向上させる。【中国国家環境保護総局】