欧州委員会　加盟国を環境法令違反で訴追

【環境行政 その他(環境行政)】 【掲載日】2001.04.04 【情報源】EU／2001.01.25 発表

●遊泳場指令　
欧州委員会は、デンマークが遊泳場指令を遵守していないことを理由に欧州裁判所に訴追することを決定した。理由は、多くの水浴場の水質で遊泳場指令における制限値を遵守できていなかったこと、指令に規定されていた最小限のサンプリングを満たしていなかったことによる。
　また、ベルギーに関しては、委員会は、裁判所の判決を執行する手続の最初の措置をとることを決定した。既に2000年5月25日、欧州裁判所により「ベルギーは、内水面及び指定された遊泳場で指令に規定された制限値を遵守できていない」旨の宣言を受けている。

●危険物質指令、硝酸塩指令
　欧州委員会は、アイルランドに対し、1976年の危険物質指令を遵守していないことを理由に欧州裁判所に訴追、また、1991年の硝酸塩指令を遵守していないことを理由に第二次警告文書を送付することを決定した。危険物質指令に関しては、危険物質の汚染削減プログラムに関して、同指令にリストアップされている重金属や生物に有害な物質（biocide）が対象とされていない点、リンに関する対策に欠点がある点などが指摘されている。
　硝酸塩指令については、モニタリングをし、アクションプログラムを策定すべき「脆弱地」を指定していなかった点、小人数に飲用として供する硝酸塩に汚染された地下水を対象外としようとしていた点が指摘されている。

●ＰＣＢ指令

欧州委員会は、スペイン、フランス、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルクを、PCB指令に基づく委員会への情報提供をしていないとして、欧州裁判所に訴追することを決定した。同様の不遵守について、ドイツ、デンマーク、スウェーデンに第二次警告文書を送付することを決定した。これら加盟9ヶ国は、既に警告を受けていたのにもかかわらず、PCBの取扱及び処分に関する調査目録、計画を委員会に送付していなかった。本来の提出期限は1999年9月であった。【欧州委員会】