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環境ニュース[海外]

中国イタリアが北京グリーン五輪に合わせ20件の環境事業を推進

地球環境 国際環境協力】 【掲載日】2007.05.25 【情報源】中国/2006.07.06 発表

 先日、北京市環境保護局の史捍民局長は次のように述べた。「北京市政府とイタリア環境・領土省が2002年4月に環境保護協力覚書に署名して以来、中国・イタリア両国は2008年グリーン五輪に向け積極的に環境協力を展開してきた。この3年間で双方は8部の覚書、11部の協議書を交わし、20件あまりの具体的協力事業を展開した」。
太陽熱エネルギーにより五輪選手村に熱供給
 現在すでに北京五輪組織委員会の新オフィスビルでは太陽エネルギー集熱器が利用されている。これによりビル内の200人分の温水が供給される。2008年五輪期間中、五輪選手村の温水と電力の大半は太陽エネルギーにより供給する。イタリア側は北京に400万ユーロを提供し、この資金は五輪選手村太陽エネルギー実証事業に必要な技術設備と技術支援に使用される。
 このシステムにより五輪期間中、1万7000名の五輪選手に温水を提供できる。五輪後も引き続き五輪選手村地区の2000世帯の住民に温水を提供できる。この太陽エネルギーシステムにより年間石炭換算約2000万トン分の省エネができる。
高度道路交通システムにより北京市の交通を調整
 北京市の交通問題解決を支援するため、現在イタリアの専門家が北京市で交通管理、公共交通機関調整、大気汚染モニタリングを一体化した高度道路交通システム実証事業を推進するための支援をしている。
 中国・イタリアは二環路と学院路(西直門−清河南橋)を実証地点に指定した。実施項目は次の通り。定点大気汚染モニタリングポイントからなる交通環境汚染モニタリングネットワークの確立、車載大気汚染モニタリング設備からなる動態交通環境汚染モニタリングシステム、中央情報処理・制御システム。道路主要部分の車種、車両流量モニタリング設備、中央情報処理システム。道路主要部分の高汚染車自動識別装置および自動車ナンバープレートデータバンク。GPSシステムを搭載した実験公共車両隊(一部の車両には携帯式モニタリング計器を搭載)、停留所モニター装置・調整センター。交通汚染モニタリングネットワーク中央情報処理システム、車両流量モニタリングシステム、実験公共車両隊調整センターをGISプラットフォーム上で集積した総合調整実験の展開――などである。
低汚染エンジンバス
 イタリアは2004年末までに北京市に300台のイベコ社が開発した最新型NEF超低汚染圧縮天然ガスエンジンを寄贈した。同エンジンの排気ガスは現在世界で最も厳しいEEV基準を満たす。
 2006年、北京市が配置する3485台の新環境型バスのうち、1000台がイタリア・イベコ社の超低汚染圧縮天然ガスエンジンを使用する。その環境レベルはユーロ5を上回る。
 2008年五輪期間中、五輪センターはゼロ汚染・超低汚染の自動車で選手を送迎する。その一部の電動モーターや混合水素燃料自動車もイタリア・イベコ社製になる。
五輪選手村に大気モニタリングシステムを設置
 2003年12月、中国・イタリア双方は協力契約を結び、五輪選手村の大気モニタリングと化学実験室の設置を決定した。それには化学実験室、移動大気モニタリングシステム、移動工業排出源規制システム、緊急移動対応システム、五輪選手村室内室外汚染モニタリングネットワークなどの設置が含まれる。それにより、五輪会場の空気環境質データをリアルタイムに提供し、実験室の有機汚染物質測定能力向上と重点汚染源モニタリングの水準を向上させる。2004年12月までに同プロジェクトの基本実施方案がまとまった。【中国国家環境保護総局】

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