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環境ニュース[国内]

周辺環境の保全なども課題に 文化財の保存・活用についての報告書

環境一般 その他(環境一般)】 【掲載日】2001.11.19 【情報源】文化庁/2001.11.16 発表

 文化財の保存・活用に関する総合的な政策立案についての重要事項調査を行うため、平成13年2月に設置された「文化審議会文化財分科会企画調査会」では、これまでの審議の結果を報告書「文化財の保存・活用の新たな展開−文化遺産を未来へ生かすために−」として取りまとめた。
 今回の報告では文化財を未来へ生かすための検討の視点として、(1)国や地方公共団体とNPO・NGOなどの連携協力、(2)文化財を生かした地域づくり、ITの活用などの多様な形での文化財の公開・活用、(3)文化財の周辺環境・文化的景観の保全や近代文化遺産の保護など新たな課題への枠組みづくりや、保護のための多様な手法の導入、(4)国民が文化財に親しめる環境づくり、(5)文化財を通じた国際協力−−の5つの視点を示し、この5点に即して、新たに実施すべき施策や、改善・充実すべき点を提案している。
 環境問題と関連して注目される点としては、文化財を「地域の歴史・風土との関連の中で成立したもの」と位置づけ、「文化財を単体としてとらえるだけでなく、その周辺環境を含めて面的に把握した上で保護することが必要」との方向性を打ち出していることがあげられる。国指定の建造物・史跡周辺の歴史的環境を開発・都市化の影響から保護するために、文化庁が都市計画
や公園行政を担う各省庁・地方公共団体に対して働きかけていくとの姿勢を示している。
 また、歴史的な環境・景観だけでなく、棚田や里山のような人と自然との関わりの中で作り出された景観についても、国としての方針を作成し、地方公共団体との連携を図りつつ保護を図るための法制上の措置を検討することが必要との提言がなされていることが注目される。
 なおこの報告は、平成13年11月16日開催予定の文化財分科会に報告されるほか、文化審議会総会に報告され、同審議会で現在進められている審議の参考に供される予定。【文化庁】

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