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環境ニュース[国内]

石見銀山遺跡と周辺景観 諮問機関がユネスコに「世界文化遺産への登録延期」を勧告

環境一般 その他(環境一般)】 【掲載日】2007.05.15 【情報源】外務省/2007.05.12 発表

 世界遺産委員会の諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス 注1)がユネスコ世界遺産センターに、「日本が推薦している”石見銀山遺跡とその文化的景観”の世界文化遺産への登録は、記載延期が妥当」と評価・勧告していたことが、2007年5月12日までに明らかになった。
 石見銀山は戦国時代から近代まで稼業した島根県の鉱山で、16〜17世紀には同銀山で産出された良質の銀が海外にも大量に輸出された。世界遺産の推薦対象になっているのは「銀鉱山跡と鉱山町」、「港と港町」、「街道」を含む島根県大田市、温泉津町、仁摩町にまたがる地域。
 今回のイコモスの評価・勧告は、日本がユネスコ世界遺産センターに提出した推薦書の記述に関して、(1)「東西の文明交流の歴史に多大な影響を与えた鉱山遺跡」であることを証明する詳細な物証が示されていない、(2)「独特の精錬技術や優れた運営形態によって16世紀に大量で良質の銀生産に成功した」と説明している点について追加的な調査研究が必要、(3)採掘活動がどのように顕著な景観を形成したのか明らかにする調査研究が必要、(4)国が文化財に指定・選定している「街道」、「鉱山町」、「港町」の範囲が不十分、(5)日本以外のアジア地域の他の鉱山遺跡との比較研究に関する情報が不十分−−と厳しく指摘している。
 「世界遺産一覧表」への登録の可否は、イコモスの評価・勧告にもとづきつつも、最終的には07年6月23日からニュージーランドで開催される「第31回世界遺産委員会」で決定されることとなっているため、日本政府は、同委員会の場で委員国に理解を得られるよう、評価・勧告内容の分析を踏まえた努力を続けたいとしている。【外務省】

(注1)イコモスは、建築遺産・考古学的遺産保全のための理論、方法論、科学技術の応用を推進することを目的として1965年に設立された非政府機関で、フランス・パリに本部をおいている。世界自然遺産における世界自然保護連合(IUCN)同様、世界文化遺産の調査・評価を担当する諮問機関としての役目も担っている。

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